CL3Eの分解大清掃とAZ-EQ6GTバックラッシュ年末調整

CL3E_Restore_1.jpg

 今日は大晦日、雰囲気だけの大掃除も終了して、今年最後の記事を書いています。
先ずはクリスマスプレゼント(CL3E)のクリーニングの結果です。
元々、結構綺麗でしたので、作業は途中から比較的順調に進みました。
「途中から」といいますのは、脚部分の固定に手を焼いて全体の半分に当たる4時間ほどを費やしてしましました。
ピラーに当たるアルミパイプは両端内側にねじが切ってあり、三脚とマウント台をそれぞれねじ込んで、その上に回り止めのビスを通しています。
ところが、パイプを充分ねじ込まずに止めビスのタップを立ててあるため、グラグラしています。
かといって、新たに穴を開けては傷物にしてしまうような後ろめたい気がして・・・
考えた挙句に、パイプの端をねじピッチの1周弱分削って、ガッチリ締まったところでパイプの止めねじ穴と三脚側のボスに側面に立てられているおねじのタップ位相がぴったり合うように調整しました。
接着剤を使えば直ぐに終わりますが、全てバラした段階で「こりゃ、絶対に本来あるべき姿に戻したい」と思ったからです。

CL3E_Restore_3.jpg
 これを御覧ください。
4×10ファインダーをバラした状態です。
写真にはスケールを置きませんでしたが、中央下の対物レンズが口径10mmです。
その上がアイピースで右端が十字線リングです。
対物レンズ枠は勿論ねじ輪で止められ、焦点調節ロックリングが外側にねじ込まれています。
アイピースもお約束通りアイレンズとフィールドを別々に固定するねじが切られたラムスデン式で、そこに対物側から十字線リングをねじ込むように作られています。
全てお約束通りなのですが、この小さなファインダーでも手抜きが見られません。
樹脂成型品を使わない全金属加工品・・・50年前のジャパンクオリティでしょうか。
取り扱ってみると、どう考えてもこれは大人サイズではありません。
が、作りに「子供だまし」が見られません。

CL3E_Restore_2.jpg
 こちらは斜鏡です。
短径20mmですから、こちらも本当に小さいです。
ちゃんと作られていますね。

 主鏡部や接眼部も写真を撮っておけばよかったですが、思った以上に時間が掛かって夜になってしまったので省略です。
クリーニングは基本的にパーツクリーナーをガンガンスプレーして拭き取るという形で進めました。
グリスも場所によって3種ほど使い分けて、ほぼ新品当時の状態に回復しました。
黒塗装は梨地(チヂミ)塗装ですので、シワシワの間に入り込んだホコリや汚れは擦っても落ちません。
パーツクリーナーでビチャビチャにして流した後不織布で吸い取るだけです。
お陰で部屋は臭いし、手はガサガサになりました。

 その後、アイピースの清掃を行ったのですが・・・こちらは一度分解されていたのか、MH(ミッティンズエーハイゲンス)12.5のフィールドレンズが逆に組み込まれていました。
MHはフィールドレンズが対物側を凸にしたメニスカスです。
これが対物側が凹に組み込まれていました。
クリーニング後、正規の形に組み込んで置きました。
アイピースのクリーニング後、タカハシのセンタリングアイピースを取り付けて、室内での光軸調整を行い、その後星での調整を行いました。
星像を確認すると、焦点内外像はそこそこ対称性もありOKかなと思ったのですが、視野周辺でのデフォーカスは勿論、何だか凄いコマが発生しています。
付属のMH12.5では倍率が60倍ほどで月の全体を眺めることが出来ますが、周辺像の崩れが酷く見られません。
やっぱりフィールドレンズは逆の方が良いのかと不安になり、確認のため反転して星像を確認してみたら、今度は周辺で凄いアスが発生します。(中周辺で星像が放射状に伸び、最周辺では円周状に潰れた形に変形します)
 本体の作りはいい仕事をされているのですが、アイピースだけはどうもいただけません。
24.5mmサイズのアイピースは主要天体望遠鏡メーカーでは作られていませんので、スコープタウンさんにOr18mmとOr9mmを手配しました。
星像確認は年明けまで持ち越します。

 これで本年の機材弄りも納めたか?
と思ったら、忘れていました。

AZ-EQ6GT_バックラッシュ調整_RA
 スカイウォッチャーのAZ-EQ6GTのバックラッシュ調整が残っていました。
購入してから、もう2年半も調整せずに使っていましたが、撮影中にチョット風が吹くと赤経、赤緯ともにスコーンとガイド星が飛んでゆくことがよくあります。
さっさと調整せねばと思いながら、どんどん日が過ぎてきました。
そこで部屋に機材を組んで調整に取り掛かります・・・って、どうもこれまで見てきた赤道儀とデザインが違います。
国産機では、軸受けハウジングにウォーム軸ハウジングがねじ止めされていて、ウォームホイールとの噛み合いをジャッキねじで調整するようになっています。
ところが、ウォーム軸受けハウジングが見当たりません。
この望遠鏡を構造を示すような図面も持っていませんし、そのようなマニュアルもありません。
仕方なく暫く眺めていました。
赤経、赤緯モータを組み込んだセンターピースそのものが両軸のウォーム軸受けハウジングになっているようです。
 写真の太い六角レンチを差し込んであるキャップボルト(これが4本あります)が固定ねじです。
細い六角レンチがセンターピース(=ウォーム軸受けハウジング)を前後に動かすための押し用ホーローセット(反対側にもう1本あります)です。
固定ねじを緩めて押しねじで前後調整することで、バックラッシュ調整が出来ます。
調整前の赤経側のバックラッシュは、バランスウェイトシャフトの先端を極軸周りに動かすと結構(感覚的ですが)カタカタしていました。
この調整で「うーん、少し動くかな?」程度までバックラッシュを詰めました。
締まっていないかの確認は、ウォームの回転トルクで見るのが正しいと思いますが、電気的に駆動電流をチェックするのがお手軽です。
しかし、そのような備えがありませんので、駆動速度を変化させて最微速から最高速でもモーターが脱調せずに動くことを確認することにしました。
AZ-EQ6GTはSLEW速度を1~9段階で選択できます。
これで軸回りで一周(360度)どこでも問題なく動作するように調整しました。
確認は中間伝達用のタイミングベルトの動きと、モーターPGによって作られ表示される赤道座標位置でみました。

AZ-EQ6GT_バックラッシュ調整_Decl
 赤緯側のバックラッシュ調整も同じです。
また、ウォームホイールとの噛み合い場所でのバックラッシュ量のチェックも感覚での確認を行いました。
これはウォームホイールの偏芯量確認になります。
赤経側は多少感じますが、赤緯側は判りませんでした。(結構良い感じ)
室内で出来る調整はここまでです。
フィールドへ出て心配なのは気温が下がったときのバックラッシュ減少です。
この赤道儀のウォームホイール材が何か情報がありません。
赤経、赤緯の軸受けハウジングもセンターピースもともにアルミ鋳物製ですが、線膨張率がそれとあまり変わらない材料であれば良いのですが。
以前、小型の据付型の赤道儀を使ったことがありますが、アルミ鋳物のハウジングに鋼製シャフト、砲金製ウォームホイールでした。
夏場には調子良かったのですが、冬場では高速運転で駆動しようとすると、ステッパーが脱調して回りませんでした。
ハウジングのアルミの方が線膨張率が大きいので、低温になるとハウジングがウォームホイール以上に縮み、バックラッシュが無くなってロックしてしまったわけです。
この赤道儀も寒~いフィールドへ持ち出して、問題が起きなければ良いのですが・・・寒くて暗い観測現場でバックラッシュ調整はやりたくありませんよね。
でも、次の出撃ではヘックスレンチセットを持って行かないと怖いです。

 そんなこんなで、今年も後6時間で終わります。
御覧いただきました皆様、一年間ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。

voyager_camera

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昔の望遠鏡

アイピースが今一つだったので困って、レンズの向きや順序を色々試行錯誤して、ためして、その当時、航空公園で星を見るのに、一番ましなものに替えた記憶があります。
航空公園の前の公団の団地に住んでいた時、息子や娘が壊しそうだったので、下の階の中学生の方にお譲りした、反射望遠鏡かも知れません。
当時は、防衛医大や上智大学に勤務していました。今は、見沼区におります。
懐かしい望遠鏡を、大事にしていただいていて、感慨無量です。
おさしつかえなければ、ご連絡ください。

No title

今井様、初めまして。
 お話からしますとこの望遠鏡は貴殿様の愛用品だったのですね。
「アイピースが今一つだったので困って」とありますが、私もレストア直後に星を見ましたところ、確かに特にフィールとの湾曲が異常に強く、周辺像がメタメタでした。
分解しましたところMHなのにフィールドレンズが後凸に組まれていましたので、これが原因と思って正規のスタイルの戻したのですが、どうにも良くありませんでした。
現在は別のメーカーのOrアイピースで観望しています。
 多分同じくらいの世代であると存じますが、小生は中学校時代にアストロ光学の反射望遠鏡が欲しかったのですが、どうしても小遣いでは買えなくて、主鏡と副鏡だけを部品購入して、あとは自作の筒に載せて見ていました。
このように完成品を見るのは初めてでしたので、入手した際は大変感動いたしました。
これからも大切に眺めさせていただきます。(観望よりも部屋のインテリアとして・・・少年時代を思い出します)

プロフィール

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Author:voyager_camera
小惑星観測屋崩れの「天体写真か!」です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に勤めています。訳あって天文雑誌などのフォトコンには応募しませんが、このブログ以外でも小生の写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
mail:y-osima@sannet.ne.jp

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