Meade SC25cmF10の星像テスト-3

 SCT25cmF10の星像にアスが発生する問題について、少しづつ解って来たようです。

RonchiTestOfMeadeSCT25F10PrimaryMirror_20180815.jpg
 これは現状での恒星によるロンキーテスト(10L/mm)の結果です。
主鏡移動による焦点調節を行った焦点内外の画像です。
撮影カメラは動かしていませんが、焦点の内外で縞の傾きが変化してアスチグマチズムの発生が確認できます。
縞模様そのものは主鏡分解前に比べると直線的で良い感じになっています。

KnifeEdgeTestOfMeadeSCT25F10PrimaryMirror_20180820.jpg
 これは室内に置ける主鏡単体のナイフエッジテストの結果です。
主鏡をほぼ180°回転比較しましたが、どちらも影の出方に変化は見られません。
主鏡は球面鏡だと思っていたのですが、僅かにパラボラ化しています。
少し研磨痕らしき面の乱れが見られますが、全体のスロープはステップも無く大変綺麗です。
最周辺にもダレやアップは無く、もしこれがニュートン用パラボラ主鏡のナイフエッジの影でしたら中々の出来であると感心しそうです。

 ここまでを纏めると、全系としてはアスが発生していて主鏡にはアスが認められないことが確認できました。
ただ、副鏡や補正板にアスが存在しないとは確認できていません。

光線追跡_SCTのアス発生原因_20180820
 全系にアスを発生させるシュミレーションが見つかりました。
これは補正板、主鏡、副鏡の各エレメントにアスが存在しなくとも、組み立て誤差によって全系にアスが発生することを示しています。
シュミレーションでは、補正板の非球面回転軸から主鏡をオフセットし、そこで発生したコマを副鏡の傾きでキャンセルしました。
内外像は楕円形に伸びて、しかも内外で長軸方向が90°回転してアスの発生が確認できます。
また、内像外周では青い光が取り巻き、反対に外像外周では赤い光が取り巻いています。
これは8/3に掲載した焦点内外像とも一致します。
 もしこのシュミレーション通りであるならば、補正板や主鏡を分解してメーカーズ・アジャストを開放したことが悪かったのでしょうか。(余計なことをした?)
まあ、この鏡筒が私のところに来た時には既にアスが存在した訳ですから、仕方なかったと言えば言い訳になりますが、それでロンキーテストの縞が真っ直ぐになって、星像もオムスビの崩れたような形から素直な楕円形に変化してきたので、それはそれで成果はあったと慰めましょう。
課題は今後の対策です。
補正板の非球面回転中心が外周に対して偏心しているようであれば、補正板を回転することで状況は変化するかもしれません。
しかし、それで主鏡光軸上に補正板の非球面回転中心が正確に乗る可能性は低いでしょうね。
かといって、補正板をXY方向にシフトさせるのは±2mm位ならできそうですが、それを超えると構造的に難しいです。
可能性が最も高いのは、バッフル・スリーブに対して主鏡の傾きを加えることですが、主鏡のバックアップ・プレートにタップを3点切って、裏側からホーロー・セットで押してやることでしょう。
しかし、星像を見ながらその調整ネジにアクセスできるように改造できるかが問題ですね。
もし実現すれば、最高の調整でこの光学系を使えることになりますが ・・・ これは難題です。

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小惑星観測屋崩れの「天体写真か!」です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に勤めています。訳あって天文雑誌などのフォトコンには応募しませんが、このブログ以外でも写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
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