ミードSC25cmF10の副鏡分解

 星像にアスが発生する問題を追及しているのですが、中々結論が出ません。
先ずはF10のシュミットカセグレンの組み立て誤差による発生の可能性について検討します。
 シュミットカメラでもそうですが、シュミット補正板の非球面回転中心が主鏡光軸からずれると視野全面均等にコマが発生します。
しかし今回はアスですので、エレメントの組み立て誤差で発生するものなのかを光線追跡でシュミレーションしてみました。

SCT20F10星像シュミレーション通常_20180810
 これは主副鏡共に球面を使った20cmF10のシュミットカセグレンのシュミレーションです。
イメージ半径は10mmに設定しています。

SCT20F10星像シュミレーション偏心_20180810
 これは副鏡を主鏡光軸から1mmオフセット(偏心)させた状態です。
たった1mmのズレですが、全体均等にかなり酷いコマが発生していることが解ります。

SCT20F10星像シュミレーション偏心_偏角_20180810
 これは副鏡を主鏡光軸から5mmオフセットし、更に星像が良くなる方向に1.25°傾き(偏角)を与えて調整した状態です。
リッチークレチャンのように主副鏡が強い非球面の場合と違い、両方ともに球面で出来ているので、傾きを整えてあげればかなり使える星像になります。
実際に副鏡が5mmも偏心することなど考えられませんが、それでも傾きを調整することで実用になる星像が戻ってきます。
焦点内外像は対称形のようですが、副鏡のオフセットでアスは発生しないようです。

GA4ナイフエッジテスター_20180809
 とすると、主鏡そのものがアスを残した仕上がりになっているのでしょうか。
鏡筒から補正板+副鏡を取り外して、ナイフエッジテストで主鏡面を観察してみました。
鏡筒の焦点調節ノブも外して、主鏡を任意に回転できるようにして観察します。

MeadeSCT25F10主鏡ナイフエッジテスト_20180810
 主鏡は球面の凹面鏡ですから、球心テストでは影が出来ない筈ですが、僅かにパラボラのような影が見られます。
とはいっても、F2のパラボラ鏡でしたら非常に濃い影が見られるのですが、この影は非常に淡いもので、ほぼ球面鏡といっても良いレベルのようですが ・・・。
肉眼で観察すると全面が見渡せるのですが、カメラで撮ろうとするとケラレて一画面に収まりませんでした。
仕方なく上下左右の4コマを撮影して、各画像を比較明合成しましたが ・・・ 下側を撮影したつもりの画像がうまく撮れていなかったので、このような写真になりました。
ナイフは左から切っているのですが、影は上下で非対称のように見えます。
念のため、鏡筒内の主鏡を180°回転してみましたが、状況は変わりませんでしたので、どうもアスではなさそうです。
もしこの影が主鏡の回転に伴って変化しても、このように淡い影であのようにハッキリした星像のアスが見られるものか疑わしいのですが ・・・ あるかも?
 アスには関係ない話ですが、全面に研磨痕が残っています。(画像の比較明合成の跡も)
肉眼で観察していた時はあまり気にならなかったのですが、画像にすると気になりますね。
全周のエッジを光輪が取り巻いているという程ではありませんが、強く幅の広いダレは見られません。
では、ロンキーテストで見られた周辺のダレの原因はどこにあるのでしょうか?

 ここまでの調査ではアスの原因が特定できません。(というか、調べると解らないことが増えてくる)
残るは副鏡なのですが ・・・ 考えにくいですねえ。
副鏡は凸鏡ですから、正確な形状を単独で視覚的に見ることは出来ません。
つまり、主鏡のようなテストは無理です。

MeadeSCT25h補正板分解_20180809
 と言っていても仕方ないので、補正板から副鏡を取り外しました。

MeadeSCT25副鏡分解_20180809
 副鏡の裏面には、センタリング穴と光軸調整用のタップの切られたアルミ円板が両面テープで貼り付けられていました。
副鏡とアルミ円板の間にマイナスドライバーを差し込んで、両者を剥がします。
どうも、円形に切ったブチルゴムベースの両面テープを2枚で貼り合わせていたようです。
樹脂製のセルとアルミ円板の間には圧縮バネが入ってるのかと思いましたが、セルの中央にあるセンタリング用凸ピンに平座金が2枚あるきりでした。
分解する前に確認したのですが、ディスクのセンタリング穴と副鏡外周の距離は最大で1mm弱の偏心が見られました。
といっても、先ほどのシュミレーションで解ったように、この程度の偏心では星像に大きな問題は生じません。
オマケに、両面テープで貼り付けただけですから、この副鏡に歪みを発生させるような力が加わったとは考え難いですね。

MeadeSCT25副鏡再組立て_20180809
 結局、副鏡面そのもののアスについては確認できず、構造的な問題点を見つけることも出来ませんでした。
ここまでバラしたのですから、補正板と副鏡は中性洗剤で洗ってやりました。
光軸調整ねじが緩んだ時のガタ止めとして、副鏡セル内面にスポンジゴムのパッドを3方に貼り、副鏡とアルミ円板は前と同じようにブチルゴムの両面テープで貼って、元通りに組上げました。

 「見つけた!」と膝を叩くような原因を発見できません。orz
また、次に星が見えたとき星像確認を行いますが ・・・ アスが消えているわけも無く、何時になったら終わるのか?

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小惑星観測屋崩れの「天体写真か!」です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に勤めています。訳あって天文雑誌などのフォトコンには応募しませんが、このブログ以外でも写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
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