惑星撮影 in ガリバー

 前回書きましたように、土曜日の夜はガリバーで惑星撮影をしました。

Saturn-2018-07-14-1331_8.jpg
 結構良く見えていましたので、120秒で5フレーム撮影しWinJUPOSでDe-rotationしました。
シッカリとADCの調整を行ったつもりですが、環には色が付いてしまったので、Rチャンネルをスクロール調整しました。
更にBチャンネルの像が随分と甘くなっていましたので、アンシャープマスクを掛けています。
以前に問題にした、色ムラというのは無いようです。

2018-07-14-1649_6.jpg
 夜半を過ぎて火星もギラギラ光っていましたので撮影したのですが、ダストストームのお陰げで鮮明な模様が見えません。
余り期待できなかったので、60秒で4フレーム撮影したところでおしまいとしました。
こちらは補正板に夜露の影響が見え始めていた頃の画像です。

 最近、バローレンズとADCの組み合わせをどのようにするのが正しいのか考えていました。
私は天文雑誌を買わない、読まない人ですから、この件に関する記事が掲載されていて、既にそれを読んだという方は以降は読み飛ばしてください。

 この晩撮影に使った拡大システムは下のような接続です。

昨夜のバロー・ADCの接続方法_20180715
 先頭にGSO(AstroStreet) 2インチ 2X EDバローを、次にφ2inch-M42メスX20mmスペーサーを介してZWOのADCを、最後にASI290MCを組み合わせています。
150mmのスケールの0点がバローレンズのレンズ最後面(BFの起点)です。
このバローレンズはBF=100mm位で倍率が2倍になるように設計されている、EDレンズを含む負レンズ1群の拡大光学系です。
ASI290MCのセンサー面は赤い筐体前面から12.5mmの位置にあります。
この写真で解るように、BF=105mmで組上げています。
FireCaptureV2.6のログファイルに記載されています合成焦点距離は4100mmになっていますので、SC20cmF10のFL=2000mmに対する拡大率は2.05Xで合成F=20.5になっています。
ADCは単に頂角の小さなウェッジプリズムですから、バローレンズの推奨BFが100mmであればその範囲にADCを入れなければなりません。

従来のバロー・ADCの接続方法_20180715
 これは以前に使っていた惑星撮影時の組み合わせです。
バローレンズは笠井トレーディングのFMC3枚玉2.5Xショートバローです。
その後ろにADCの1.25インチスリーブをそのまま差し込んでいました。
その結果、BF=140mm程度になっています。
このバローレンズの場合の推奨BFは、最終レンズ面からアイピース差込口付近の筈ですから、およそ70mmと思われます。
この組み合わせで撮影したFireCaptureのログファイルの合成焦点距離は6900mm程になっていました。
推奨倍率を守れば合成F値=25になる筈ですが、実際はF=34.5になっています。
推奨倍率の1.38倍にもなっていますが、あまり気にもせず撮影して、まあこんなものだろうと思っていました。
しかし、先日の土星に色ムラを発見してから「これはどうもおかしいぞ?」と思い始めました。
 バローレンズのメーカーはADCを挿入すること関してコメントしていません。
スリーブにアイピースを直接差し込んで使われることを当然期待しているものと思います。
また、ADCのメーカー(この場合はZWO)は使用光学系の推奨F値を15以上と謳っているだけです。
これは対物レンズ周辺を通過した光線がウェッジプリズムに当たる角度を垂直±2°以内にしてくださいと言っているのだと思います。
これらを深く考えずに、バローレンズにADCを差し込んで、カメラを差し込んで ・・・ 出来上がり、と思っていたのですね。
どなたかの惑星撮影システムを拝見して、モノクロカメラとカラーカメラをフルップミラーの両口に差し込んで、ミラーをカチャっと切り替えてL画像とRGB画像を撮影したら便利だなあと感じたのは私だけではないでしょうねえ。
そこが素人の浅はかさ、買ってきたパーツをそのまま繋げれば出来上がりと思っていたことに我ながら悲しくなります。
今頃、6/26に書いた「惑星撮影システム」見てゾッとしても遅いのです。
 あのフリップミラーを使ったシステムを完成させるには、現在売られているショートバローではなく、昔あったBFの長~いバローレンズを使うか、BFの変化で拡大率の変わらないテレビューのパワーメイト(テレセントリック光学系?)のどちらかを選択するしかなさそうです。
BFの長~いバローに2インチ物は無さそうで、1.25インチの長~いのを使ったら撓みそうだし、更に画質も期待できそうにない ・・・ やはりテレビューの2インチ2Xパワーメイトを購入するしか解決方法は無いのかなあ。
心のどこかで、「フリップミラーもASI290MCも捨てて、フィルターホイールにした方が良い画像が撮れるぞ!」と囁く ・・・ うううっ、面倒くさそう。

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No title

色むらの解消、おめでとうございます。
どのような条件(位置関係)で色むらが生じるのかにも興味があります。
こちらはフリップミラーよりも複雑なビームスプリッタを使っていますが、さいわい色むらなどは生じていません。ただ、ADCからカメラまでが遠くなるので何らかの弊害は生じていると思われます。

右腕が治ったら色々と実験してみたいですが、今は・・・・ねぇ(涙)。

No title

あぷらなーとさん
 バローで発生する色収差が色ムラになるというのは納得できませんね。
どうしてあのような色ムラ画像ができるのかは、未だに不明です。
元々ズボラな性格ですから、色ムラが無くなったのであれば「まっいいか!」で済ませてしまいます。(ちょっとは、あぷらなーとさんを見習うべきです)
フリップミラーを使ったカラー/モノクロカメラの併用システムは、もう少し検討と検証を続ける予定です。
 ビームスプリッターは以前オートコリメーションテスト用の光源/ナイフorロンキーの光路分離に使ったことがあります。
あぷらなーとさんはもっと大きいサイズのを2枚も使っていらっしゃいますね。
3色分解がナローバンドフィルターでしたら問題ないと思いますが、ブロードバンドでは多少問題が出ませんか?
反射膜で分離した光は問題ないとして、直進光は薄いながらも基板内を通過しますから、例え平行基板でも基板厚*√2の光路長における波長別分散が発生すると思いますが、どうでしょうね。
 早く腕を治して色々な実験結果をご披露ください。

No title

>基板厚*√2の光路長における波長別分散が発生すると思いますが、どうでしょう

おっしゃるとおりです。恐らくプレート型ビームスプリッタのことを差しておられると推察いたしますが、私のものはキューブ型なので、反射光側も透過光側も相当な厚みのガラスを通過することになりますので、色収差と球面収差が発生します。ただし、シミュレーションの結果、心配したよりも軽微でしたのでなんとか実用に耐えるようです。

ちなみに幾何光学的に計算した色収差と球面収差の推算は下記の通りです。
お暇なときにどうぞ♪

https://apranat.exblog.jp/27737906/

No title

あぷらなーとさんのビームスプリッターはキューブタイプの本格的な物(高そう!)だったのですね。
光学設計に精通しておられるようで関心致しました。
オマケに、そのビームスプリットシステムで惑星撮影までされているとはビックリです。
実は私も以前VMC260Lを使っていました。
ビクセンの専用レデューサを使うと35mm版周辺で色収差が目立つので手放してRC鏡筒に換えたのですが、今でしたら画像処理でクリアできました。(VMC260Lは驚くほど軽くてとても重宝しましたのにね)
主鏡周辺のメッキが全周5mm程乗っておらず、有効250mmだった覚えがあります。
惑星撮影の際のADCの前には拡大光学系は入っていないようですが、VMC260Lの直焦点ではF11.5(実行F12)となりZWOのADC使用推奨F値の15を切っていますが、問題を感じたことはありませんか。
世間は火星大接近(ダストストームで模様が霞んでいますが)で盛り上がっていますので、望遠鏡を扱えるようになったらビームスプリットシステムによる惑星写真も見せてください。

No title

ご推察の通り、キューブ型ビームスプリッタ、お高いです(1セット7~10万円ほど)。
それだけに、色んな(アヤシい)活用方法を思案して遊ばないと元が取れないです。

今のところADC→スプリッタ→バーローレンズ→カメラの順に接続して運用していますが、腕が上達していないので、ADCの仕様(要件)を満たさない運用方法でも弊害は見えていません。将来的に(撮影技術が向上して)不具合を感じたら改善策を考えようと思ってます。

なお、当方、光学設計は素人なので、色々と間違いがあるかもしれません。大目に見てやってくださいませ。
プロフィール

voyager_camera

Author:voyager_camera
小惑星観測屋崩れの「天体写真か!」です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に勤めています。訳あって天文雑誌などのフォトコンには応募しませんが、このブログ以外でも写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
mail:y-osima@sannet.ne.jp

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