火星大接近、新惑星砲の準備

 本日、関東甲信地方が梅雨明けということらしいです。
当地静岡が含まれる東海地方は未だのようですが、近々にも追って明けるのではないかと思われます。
今年の梅雨明けは早そうであるとは思っていましたが、想像以上ですね。
そうなれば気になるのが火星の状況です。
 6/16に「惑星撮影システム」というテーマで書きました。
その時、「撮影鏡筒はミードのSC25cmにしたかったのですが・・・」と書き、今回の火星大接近は従来から使っているミードSC20cmで我慢するつもりでした。
ところがです、ブログでも良いから言ってみるものですね。
直後にミードのSC25cmF10鏡筒がヤフオクに出品されたのです。
うまい具合に予想以上にお安く落札できましたので、梅雨明けまでに惑星砲に仕立て上げるべく改造に取り掛かりました。

MEADE-SC250F10改造前-光学系_20180622
 これは改造前の光学系チェックの様子です。
非常に状態が良く、期待が持てます。

MEADE-SC250F10改造前星像チェック_20180621
 手元に届いた夜は偶々星が見えましたので、何時ものGDP改造片持ちフォークに載せて星像をチェックしました。
上はその時の写真ですが ・・・ 星像は満足したのですが、架台が苦しそうです。
フォークアームを延ばさなくとも赤緯は±30°まで振れますので、そのまま月・惑星観測は出来そうですが振動が中々収まりません。
少しでも風があると撮影不可能という感じですが、今すぐに架台のグレードアップは無理ですね。

MEADE-SC250F10改造-CP_20180622
 愈々改造開始です。
先ずは補正板を取り外しましたが、おおっ白板orBK7でしょうか。
最近の機種は状況が変わっているかもしれませんが、以前のセレストロンはC14でも青板(ソーダガラス)を使っていたような記憶があります。
青板は緑の波長の透過率が悪くて緑っぽく見えるのが名前の由来ですが、これはこれは ・・・ 予想外でした。
しかも、厚みが9mmもあります。

MEADE-SC250F10改造-ピンも外れた_20180622
 主鏡を外すために焦点調整ノブを取り外したら、あれれっ主鏡セル側に固定している筈の細いピンが一緒に外れてきました。

MEADE-SC250F10改造-主鏡取り外し_20180622
 バッフルから主鏡+セルを引き抜いて、筒先から取り出します。

MEADE-SC250F10改造-ピンを固定_20180622
 忘れないうちに、先ほど外れたピンを本来の穴に差し込んでセットスクリュで固定しておきます。

MEADE-SC250F10改造-取外し光学系_20180622
 これが鏡筒から取外した光学系です。

 これからどのように改造するか思案して、急いで工具、パーツ、材料を手配します。
シュミットカセグレンの筒内気流防止方法ですが、最近はiwaLabさんが鏡筒を改造せずに鏡筒底部を外からペルチェ素子で冷却する方法を提案・実行されています。
羨ましいのですが、大容量ペルチェは価格的にも厳しいものがあります。(多分、今回の鏡筒代金よりも高くつくのでは)
また、私には外気と主鏡の温度差分制御のようなソフトを含めた電気製作技術が無いので手が出ません。
1日考えた末に、従来のファンモーターによる筒内換気方式にしました。
ファンモーターは大容量の物を使うと観測中の振動が気になるので、@¥500の静音の小さなファンを6個取付け、筒先には吸気孔を明けることにしました。

MEADE-SC250F10改造-ファン穴ケガキ_20180622
 購入品が揃う前、筒にケガキ線を描きます。

MEADE-SC250F10改造-ファン穴開け作業_20180623
 モノタロウに注文したホルソー他が届きましたので、愈々穴開け作業の開始です。
筒底板の厚みは7mmもあって、結構な切削量です。
小さな簡易ボール盤しかないので、ホルソーが貫通するとビビッて穴の仕上がり面がガタガタになってしまう。 ・・・(怖

MEADE-SC250F10改造-ファン穴開け完了_20180623
 なんとか筒底面の穴加工が完了しました。

MEADE-SC250F10改造-筒先穴加工_20180625
 次は鏡先に穴を沢山開けるのですが、ボール盤の懐が狭くてそのままでは加工できそうにありません。
思案の末、ボール盤の支柱をモノタロウで売っていたポールスタンドという安物部品と交換して、何とかホルソーの刃が筒先側面に届くようにセッティングしました。
筒はスチールかと思っていたのですが、厚さ2mmのアルミでした。
それでもホルソーが貫通するとビビッて、ギャーッと叫んで穴の仕上げ面がやはりガタガタになります。
全て甲丸ヤスリで手仕上げするしかありません。

MEADE-SC250F10改造-ファンモーターユニット製作_20180624
 不得意な電気工作ですが、このくらいは何とかしました ・・・ 小さなXHコネクタを初めて使ったのですが、ピンの圧着が中々上手くゆかず大変でした。

MEADE-SC250F10改造-ファンモーター取付け_20180627
 その後、塗装が剥げたり傷を作ってしまった部分を補修する意味で、黒の艶消し塗装をしたり、筒をコンパウンドで擦ったり、キズ消しWAXを塗り込んだりして、ようやくパーツの組付けが出来ました。
これが主鏡裏に収まるファンモーターです。

MEADE-SC250F10改造完了-後_20180629
 ファンモーターは小さいので、6個同時に排気しても接眼部付近に置いた顔に微風が当たる程度です。
その分振動は少ないようですが、GPD片持ちフォークに載せてどうなりますか?
ファインダーはビクセン6X30の接眼部を31.7mmに改造して、ガイドカメラも差し込めるように変更しました。
勿論、ステンレス取手も追加です。

MEADE-SC250F10改造完了-前_20180629
 写真のアリガタはビクセンの標準サイズですが、幅80mmの大型にも変更できます。

MEADE-SC25vsSC20_20180629.jpg
 これまで使っていたSC20cmとSC25cmの惑星砲を並べてみました。
写真の状態で20cmは6.0kg、25cmは13.5kgです。
25cmは20cmに対して有効径が1.25倍なので、同じ材料で相似形に拡大するとその重量は1.25^3=1.95ですが、両者の重量比は2.25倍になっています。
補正板や筒底板厚も予想以上に厚かったのでこんなに重くなってしまったのでしょうねえ。
13.5kgならC11(28cm)の方が軽い鴨。
ですがミードの滑らかなシュミット補正板は捨て難いのです。

 さあ、東海地方の梅雨明けは何時になりますか ・・・・・・

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No title

凄い大胆なことをされますね。
私ならちょっと躊躇してしまいます。と言うかここまで改造すると言う発想がありません。
でもこれで快適に使えるようになるのでしたら、やった甲斐がありますね。

No title

撮影の度に鏡筒を屋内から持ち出すので、特に冬場には効果がありそうですが、単なる精神安定剤かもです。
本当の改造の動機は暇だったから・・・鴨。

No title

さすが、素晴らしい改造の手際!
補正板の状態も良さそうですし、これは火星接近に威力を発揮しそうですね。

専門的知識と技術をお持ちの方は、機材整備の次元が違うのだなぁとため息が出ます。
土星の試写では、不思議な色むらが発生したようですが、これをどう解決されるのかレポートを楽しみにしていますね!!

No title

あぷらなーとさん、おはようございます。
土星の色ムラには困ったものです。
何れにしましても梅雨が明けて晴れ間が見えないと何ともなりませんが・・・こちらは雨が大したことは無いのですが、四国は大変ではないかと心配しています。

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Author:voyager_camera
小惑星観測屋崩れの「天体写真か!」です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に勤めています。訳あって天文雑誌などのフォトコンには応募しませんが、このブログ以外でも写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
mail:y-osima@sannet.ne.jp

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