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火星大接近、新惑星砲の準備

 本日、関東甲信地方が梅雨明けということらしいです。
当地静岡が含まれる東海地方は未だのようですが、近々にも追って明けるのではないかと思われます。
今年の梅雨明けは早そうであるとは思っていましたが、想像以上ですね。
そうなれば気になるのが火星の状況です。
 6/16に「惑星撮影システム」というテーマで書きました。
その時、「撮影鏡筒はミードのSC25cmにしたかったのですが・・・」と書き、今回の火星大接近は従来から使っているミードSC20cmで我慢するつもりでした。
ところがです、ブログでも良いから言ってみるものですね。
直後にミードのSC25cmF10鏡筒がヤフオクに出品されたのです。
うまい具合に予想以上にお安く落札できましたので、梅雨明けまでに惑星砲に仕立て上げるべく改造に取り掛かりました。

MEADE-SC250F10改造前-光学系_20180622
 これは改造前の光学系チェックの様子です。
非常に状態が良く、期待が持てます。

MEADE-SC250F10改造前星像チェック_20180621
 手元に届いた夜は偶々星が見えましたので、何時ものGDP改造片持ちフォークに載せて星像をチェックしました。
上はその時の写真ですが ・・・ 星像は満足したのですが、架台が苦しそうです。
フォークアームを延ばさなくとも赤緯は±30°まで振れますので、そのまま月・惑星観測は出来そうですが振動が中々収まりません。
少しでも風があると撮影不可能という感じですが、今すぐに架台のグレードアップは無理ですね。

MEADE-SC250F10改造-CP_20180622
 愈々改造開始です。
先ずは補正板を取り外しましたが、おおっ白板orBK7でしょうか。
最近の機種は状況が変わっているかもしれませんが、以前のセレストロンはC14でも青板(ソーダガラス)を使っていたような記憶があります。
青板は緑の波長の透過率が悪くて緑っぽく見えるのが名前の由来ですが、これはこれは ・・・ 予想外でした。
しかも、厚みが9mmもあります。

MEADE-SC250F10改造-ピンも外れた_20180622
 主鏡を外すために焦点調整ノブを取り外したら、あれれっ主鏡セル側に固定している筈の細いピンが一緒に外れてきました。

MEADE-SC250F10改造-主鏡取り外し_20180622
 バッフルから主鏡+セルを引き抜いて、筒先から取り出します。

MEADE-SC250F10改造-ピンを固定_20180622
 忘れないうちに、先ほど外れたピンを本来の穴に差し込んでセットスクリュで固定しておきます。

MEADE-SC250F10改造-取外し光学系_20180622
 これが鏡筒から取外した光学系です。

 これからどのように改造するか思案して、急いで工具、パーツ、材料を手配します。
シュミットカセグレンの筒内気流防止方法ですが、最近はiwaLabさんが鏡筒を改造せずに鏡筒底部を外からペルチェ素子で冷却する方法を提案・実行されています。
羨ましいのですが、大容量ペルチェは価格的にも厳しいものがあります。(多分、今回の鏡筒代金よりも高くつくのでは)
また、私には外気と主鏡の温度差分制御のようなソフトを含めた電気製作技術が無いので手が出ません。
1日考えた末に、従来のファンモーターによる筒内換気方式にしました。
ファンモーターは大容量の物を使うと観測中の振動が気になるので、@¥500の静音の小さなファンを6個取付け、筒先には吸気孔を明けることにしました。

MEADE-SC250F10改造-ファン穴ケガキ_20180622
 購入品が揃う前、筒にケガキ線を描きます。

MEADE-SC250F10改造-ファン穴開け作業_20180623
 モノタロウに注文したホルソー他が届きましたので、愈々穴開け作業の開始です。
筒底板の厚みは7mmもあって、結構な切削量です。
小さな簡易ボール盤しかないので、ホルソーが貫通するとビビッて穴の仕上がり面がガタガタになってしまう。 ・・・(怖

MEADE-SC250F10改造-ファン穴開け完了_20180623
 なんとか筒底面の穴加工が完了しました。

MEADE-SC250F10改造-筒先穴加工_20180625
 次は鏡先に穴を沢山開けるのですが、ボール盤の懐が狭くてそのままでは加工できそうにありません。
思案の末、ボール盤の支柱をモノタロウで売っていたポールスタンドという安物部品と交換して、何とかホルソーの刃が筒先側面に届くようにセッティングしました。
筒はスチールかと思っていたのですが、厚さ2mmのアルミでした。
それでもホルソーが貫通するとビビッて、ギャーッと叫んで穴の仕上げ面がやはりガタガタになります。
全て甲丸ヤスリで手仕上げするしかありません。

MEADE-SC250F10改造-ファンモーターユニット製作_20180624
 不得意な電気工作ですが、このくらいは何とかしました ・・・ 小さなXHコネクタを初めて使ったのですが、ピンの圧着が中々上手くゆかず大変でした。

MEADE-SC250F10改造-ファンモーター取付け_20180627
 その後、塗装が剥げたり傷を作ってしまった部分を補修する意味で、黒の艶消し塗装をしたり、筒をコンパウンドで擦ったり、キズ消しWAXを塗り込んだりして、ようやくパーツの組付けが出来ました。
これが主鏡裏に収まるファンモーターです。

MEADE-SC250F10改造完了-後_20180629
 ファンモーターは小さいので、6個同時に排気しても接眼部付近に置いた顔に微風が当たる程度です。
その分振動は少ないようですが、GPD片持ちフォークに載せてどうなりますか?
ファインダーはビクセン6X30の接眼部を31.7mmに改造して、ガイドカメラも差し込めるように変更しました。
勿論、ステンレス取手も追加です。

MEADE-SC250F10改造完了-前_20180629
 写真のアリガタはビクセンの標準サイズですが、幅80mmの大型にも変更できます。

MEADE-SC25vsSC20_20180629.jpg
 これまで使っていたSC20cmとSC25cmの惑星砲を並べてみました。
写真の状態で20cmは6.0kg、25cmは13.5kgです。
25cmは20cmに対して有効径が1.25倍なので、同じ材料で相似形に拡大するとその重量は1.25^3=1.95ですが、両者の重量比は2.25倍になっています。
補正板や筒底板厚も予想以上に厚かったのでこんなに重くなってしまったのでしょうねえ。
13.5kgならC11(28cm)の方が軽い鴨。
ですがミードの滑らかなシュミット補正板は捨て難いのです。

 さあ、東海地方の梅雨明けは何時になりますか ・・・・・・
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木星 2018 6/21

 昨夜は久々に星空が見られました。
早速、新しい惑星撮影システムで木星を撮影しました。

Jupiter_20180621_222933_LRGB.jpg
木星
2018年06月21日22時29分33秒JST
Diameter=42.37" / Magnitude=-2.36 / CMI=7.8° CMII=351.7° CMIII=227.8° (during mid of capture)
Mead SC20cmF10(D203mmF.L.2000mm) + ZWO-ADC + BarlowX2.0 + No.25 + ASI290MM(L) / ASI290MC(RGB)
Gain=420 / Shutter=12.0ms / Duration=60s / 82FPS-4967コマ(50%スタック)

惑星撮影_20180622
 昨晩の目的はフリップミラーの調整と、実効合成焦点距離の確認です。
バローレンズを2インチにしたので、結構ガッチリした感じです。
木星を撮影したFireCaptureのログテキストを見るとFL=7700mmになっています。
以前のシステムではFL=8000mm位でしたので、少し短くなりました。
バローレンズの後ろに2インチの延長筒を挿入すればもう少し伸びそうです。
 撮影の方は上空の気流が激しくて、なかなかキャプチャーを開始する気になれなかったのですが ・・・ 諦めて撮影したという感じです。
その後は朝まで土星、火星の撮影を続けたのですが、どれもイメージが悪くて絵にはなりませんでした。

FFC20をコリメーターで光軸調整

 一昨日に続いて、FFC20鏡筒の光軸調整を実施しました。

FFC20光軸調整風景_20180620
 毎度同じような記事で飽きてしまうと思いますが、まあついでですのでお赦しを。
FFC20は既にフィールドテストでほぼ行けそうな感じだったのですが、多少星像の形に不満が残っていたというのは本音でしょうか。
同心円ホログラムでチェックすると問題ありませんでしたが、コリメーターで星像を見ると多少三角形っぽい楕円で、内外像で位相が90°回転します。
主鏡を調整しますが治らないので、鏡筒に対して主鏡セル毎接眼部やカメラも一緒に回転させて星像を見ましたところ、一緒に回転します。
つまり、補正板の偏心によるコマの影響ではなく、例によってどうも主鏡の変形が原因であることが解りました。
セル内で主鏡の押さえているネジを目一杯緩々にすると随分と星像が丸くなりましたので、その状態で光軸調整を実施しました。

FFC20光軸調整後の焦点近傍星像_20180620
 結構丸くなりましたが、それでも多少楕円傾向が残っています。
もうセルの中で主鏡が動き出しそうなくらい各部を緩めてあるので、この程度が限界であると諦めます。
どうも十分な厚みを持たない主鏡の外周を押さえるセルは怖いですね。
何時も思うのですが、シュミットカセグレンのような穴あき主鏡の場合は穴の周辺でXYZ方向を固定してあげるのが最も安心できます。

FFC20光軸調整後のスケアリングチェック_20180620
 調整を終わってから、例によってニュートン用レーザーコリメーターでスケアリングチェックを行いました。
FFC20はスケアリング調整機構が無いので確認だけです。
僅かに傾いているようですが、F4なので35mm版センサーの四隅でも許容できる程度のオフセットであれば良いのですが ・・・ また、フィールドテストを行うことになりました。

FFC20光軸調整後_20180620
 センタリングアイピースの穴から撮影してみると、少し幾何的配置が崩れています。(十字糸が張ってあります)
あまり気持ちの良いものではありません。

 これで私が使っている、またはお預かりしている反射系鏡筒は全て光軸調整が完了したことになります。
と言いたいのですが、補正板の無いF2.3のベーカーシュミットカメラと、近々やってくるミードのSC25cmF10が残っています。
何時まで続くのか ・・・ 筒が多すぎでしょう、私はコレクターでは無いので断捨離しなければなりませんね。

BSC21F32をコリメーターで光軸調整

 昨日と同じようなタイトルになりましたが、今回はコリメーターによる人工星を使った調整です。
前回は、十字糸やレーザーコリメーターでは精度の高い主鏡調整が出来ないことを述べました。
後はフィールドテストと言うような書き方で終わりましたが、以前に紹介しましたミードのSC20cmF10鏡筒を使ったコリメーターでの星像チェックして最終調整を行ってみました。

コリメーターSC20F10の光軸確認_20180618
 先ずはコリメーターに使うシュミットカセグレン鏡筒の光軸状態を確認しました。
上の写真は同心円ホログラムのレーザーコリメーターを差し込んでみた状態です。
今回はバローレンズ無しで同心円が適当な大きさに広がっています。
光軸は問題ないようですね。
 ところで、シュミットカセグレンもベーカーシュミットと同じような光学エレメントを使っているのに、どうしてベーカーシュミットの光軸調整ばかりがこのように面倒なのでしょうか。
その理由は前回記事の後半に書きました。
 シュミットカセグレンもベーカーシュミットも非球面補正板→凹球面主鏡→凸球面副鏡で構成されています。
ところが、ベーカーシュミットはFが明るく広写野の平面像が得られる仕様になっています。
光学性能は有効径の理論分解能をクリアするのではなく、写野全面でコマ収差が無く検出器の最小分解能さえクリアできれば良いという条件で設計されています。
つまり天体写真専用のカメラですから、アイピースなどを使って焦点像を拡大観察するような用途には向きません。
その設計仕様の為に補正板と主鏡の距離が長く、合成焦点距離の割に随分と長い鏡筒になってしまいました。
 一方、シュミットカセグレンは先ず有効口径の理論分解能をクリアして、惑星などの観察に有用であることが大前提です。
その上に、扱いをできるだけ簡便にするために筒の長さが短くコンパクトに設計しています。
補正板と主鏡の距離が短くなることで、小さくて軽くなるだけではありません。
前回の記事で取り上げました補正板の偏心問題は、Fが暗くなることで許容ズレ量が随分と緩やかになります。
例えば私が使っています20cmF10のシュミットカセグレンの場合は、L≦6.0mmになります。
ここで計算に使うpは、検出器の解像限界ではなく焦点面上の理論分解能(0.56"X2000mm=0.0056mm)を当てはめます。
許容ズレ量がこのくらい大きくて補正板と主鏡の距離が短いと、主鏡の傾き調整を省いて副鏡だけの光軸調整だけで充分性能が保てることになります。
こう考えてみると、シュミットカセグレンという望遠鏡はとても合理的に考えられた望遠鏡です。
ただし、ベーカーシュミットのように平面像のコマ収差無しではありませんので、星野撮影などに使う場合は像面を平坦にするフィールド・フラットナーやコマ収差を取り除くコマ・コレクターなどの補正レンズが欠かせません。

BSC21F32コリメーターによる光軸調整状況_20180618
 扨、以前にFFC20のテストを行ったときのように、コリメーターと検査鏡筒を向かい合わせて設置します。

BSC21F32光軸調整コリメーター_20180618
 ベーカーシュミットの焦点調整は重たい直進ヘリコイドなので、大方のピント調整はコリメーター側の光源を電動で前後させて行います。
先ずは前回の調整が完了したままの状態での星像をチェックします。

初回の焦点近傍星像比較_20180618
 これが主鏡の傾き調整が不十分であるため発生した補正板偏心によるコマ収差です。
内像と外像で長径軸が90°回転して、アス(非点収差)があるような星像になっています。
十字糸での調整は随分とシッカリ行ったつもりでしたが、こんなに酷い星像になるのですね。(知ってはいましたが、室内でマジマジ見ると凄い)

主鏡調整後の焦点近傍星像比較_20180618
 これが主鏡の傾きを調整した焦点近傍の星像です。
丸くはなりましたが、内外像の芯が中心からずれています。

BSC21F32副鏡調整状況_20180618
 次は副鏡の傾きを調整します。

副鏡調整後の焦点近傍星像比較_20180618
 これが副鏡の調整完了後の焦点近傍の星像です。
少々光輪の幅と明るさが不均等ですが焦点の極近傍では円形を保っています。

BSC21F32光軸調整完了状態_20180618
 最後に接眼部にセンタリングアイピースを差し込んで、その小さな穴からデジカメで撮影した写真です。
副鏡を調整したので必ずスケアリングが狂います。
この鏡筒にはスケアリング調整機構が備わっていますので、例によってニュートン用レーザーコリメーターを接眼部に差し込んでスケアリングの再調整しました。

 梅雨明けのフィールドテストで結果が良ければ、以降は最終調整まで室内で完了できるわけで、とても楽になりますね。

BSC21F32をレーザーコリメーターで光軸調整

 AT10RC(25cmF8RC鏡)に続いてBSC21F32(21cmF3.2ベーカーシュミットカメラ)をレーザーコリメーターで調整してみました。
BSC21F32は昨年末の撮影を最後に休止状態にあります。
このカメラの最終撮影の印象からは、35mm版四隅の星像が完全に同じでは無いので、この暇な時期に再調整できればと思って引っ張り出しました。
そのまま接眼部に同心円ホログラムを取り付けたレーザーコリメーターを差し込んでみます。

BSC21F32レーザーコリメータによる光軸調整-1_20180617
 同心円の広がりが足らないのか、全体に広がりが足りないようで、その上周辺の同心円である部分がボヤッと広がって円盤状になっています。
中央側のリングは明るいのですが、これでどうやって判断するのか?
そういえば"Starlight Instruments"には私が購入した"Holographic Attachment for Holographic Collimator"の他に"Barlow Laser Collimator Attachment"というのがありました。

BSC21F32レーザーコリメータによる光軸調整-5_20180617
 説明文の意味が良く理解できません。
余談ですがこのアタッチメントは$70です ・・・ あれっ、私が購入したアタッチメントも同じ$50だったのですが$70に値上がりしています。(間一髪でした)
兎に角よく解らんのですが、コリメーターにバローレンズを装着したら同心円が大きくなりそうですね。

BSC21F32レーザーコリメータによる光軸調整-2_20180617
 というわけで、古い長い2倍と最近のショート3倍、ショート5倍のバローレンズを試してみました。
確かに同心円は大きくなるのですが、3倍と5倍の方は光線が偏心を起こすようです。
バローを固定してコリメーターを回転させても同心円はも中央のリングも動かないのですが、コリメーターとバローを一緒に接眼スリーブに対して回転させると、中心のリングに対して周辺の同心円が右へ行ったり上へ行ったりと動き回ります。
唯一、古い長い2倍バローだけは大丈夫でした。

BSC21F32レーザーコリメータによる光軸調整-3_20180617
 2倍バローを取り付けて中央のリングと周辺の同心円(どうも円がぼやけて円盤状になっています)を同心になるように副鏡の傾きを調整しました。

BSC21F32レーザーコリメータによる光軸調整-4_20180617
 その後、ニュートン用レーザーコリメーターで接眼部のスケアリング調整を行います。
同心円ホログラムのコリメーターに換えると、また少し中央のリングと同心円がズレるので再び同心になるように副鏡を調整し、またスケアリング調整を繰り返しました。

 以上で室内調整は終了して、後はフィールドテストに任せます。
ところで、上記の調整には主鏡の傾きが含まれていません。
私の頭の中には、主鏡の傾きは補正板中心に十字糸を張って筒先から覗いて調整する以外に適当な方法がありません。
シュミットカメラでは主鏡光軸が補正板の非球面回転軸からずれると、写野全面一様なコマが発生します。
そのコマの長径が検出器の解像限界以下になるように主鏡の傾きを調整する必要があるのですが、十字糸調整で不十分な場合はフィールドで直接星像のコマを見ながら(焦点近傍の内外像比較)調整するしかないと思っています。

 以下はシュミットカメラやベーカーシュミットカメラをお使いでない方は読み飛ばしてください。
山下泰正著「反射望遠鏡」東京大学出版会の3.4.4「シュミットカメラの限界」のc)「補正板の偏心」では許容ズレ量を以下の式で示しています。

 L≦32・F^2・p/3

ここでL:許容ズレ(mm)、F:口径比、p:検出器の解像限界(mm)とします。
例えば、F=3.0、p=0.02mmのとき、口径には無関係に許容ズレはL≦2mmとなります。
これはFが暗いほど、そして解像限界が粗いほど許容ズレは大きくなることを示します。
逆にFが明るく解像限界が細かいほど許容ズレは小さく厳しいものになります。
私が使っているBSC21F32にこれを当てはめてみましょう。
例えばカメラをASI1600MMで考えるとそのピクセルピッチはp=0.0038mm、F=3.2ですからL≦0.415mmとなります。
うーん、厳しいですね ・・・ 実はそれだけではなく、BSC21F32のようなリンフットタイプのベーカーシュミットカメラでは、実効Fの1.5倍ほど非球面度の高いシュミット補正板を使うのです。
F3.2のベーカーシュミットカメラに使われる補正板でシュミットカメラを作るとF=2.1程になります。
つまり本当はL≦0.179mmになります。
2018/06/18訂正
この精度を十字糸による調整でクリアすることは到底無理ですから、やはりフィールドで星像に発生するコマを確認しながらの主鏡傾き調整作業が欠かせません。
勿論、大型のコリメーターや平面鏡によるオートコリメーションテストの環境をお持ちの方は室内で調整を完了できますが ・・・ 羨ましいですね。

惑星撮影システム

 今朝は2018サッカーワールドカップのポルトガルvsスペインを観戦後、ウォーキングに出かけようと思ったら小雨が降っていたのでBLOGを書いています。
火星も大きくなってきて、今更の話ですが惑星撮影システムを変更しました。
撮影鏡筒はミードのSC25cmにしたかったのですが、新品を購入するのは予算が許しませんでした。
何か良い中古が無いかと探したのですが、どうも世間のSC鏡筒の大勢はセレストロンの様でミードのF10鏡筒は見つかりませんでした。
ということで今回の火星大接近はSC20cmのままでお茶を濁すことになりました。
ただし、拡大光学系部分はカラーとモノクロのC-MOSを同焦点化したいと思い、フリップミラーをビクセンからアストロストリートに、バローレンズを1.25"X2.5から2.0"X2.0に変更しました。
カメラはRGB画像用にASI290MCとL画像用にASI290MM+No.23を使います。

惑星撮影システム_20180616
 このフリップミラーを使ったシステムはよく見かけますので、簡単に同焦点化できるのかと思ったら結構色々な組み合わせを試すことになりました。
ミラー上部の回転ヘリコイドスリーブにASI290MM+No.23を差し込むと、ヘリコイドを一杯に引き出した状態でもフィルターが跳ね上げたミラーにぶつかります。
結局、ミラー上部のヘリコイド側はRGB用のカラーカメラにして、直進方向のモノクロカメラ側の引き出し量を調整しました。
フリップミラーに付属したパーツでは直進側をカラー側と同焦点化を実現できなかったので、BORGの接眼部品を色々と試して上のような組み合わせになりました。
バローレンズは従来の1.25"X2.5でも良いかなと思ったのですが、なんだか根元が細くて弱そうだったので2.0"X2.0に換えました。
バローレンズは2.5倍→2倍になったのですが、レンズから焦点までの距離が伸びたので合成焦点距離は今までと同程度確保できるのではないかと期待しています。

Mars-OpenUniverse_20180616.jpg
 ところで、撮影した火星の拡大画像の横に同時刻のシュミレーション画像が並べて表示されているものを見かけます。
クレジットなどの書き込みが無いのですが、あれはアストロアーツの「火星くるくる」の画像を使っているのでしょうか?
お高いソフトでもないので購入すれば良いのですが、例によって天邪鬼気質が出てきて"OpenUniverse"というソフトを見つけました。
あれっ、そこそこ使えそうな感じもしますが ・・・
直接年月日時刻指定する方法が見つかっておらず、一々タイマーを操作しないといけないのが面倒ですが、こちらは火星だけでなくて太陽系内の色々な天体を色々な視点で観察できるようになっていてとても便利そうです。

Saturn-OpenUniverse_20180616.jpg
 土星もこの通り ・・・ うへっ、どう見ても使えないようです。(W
何か使いかたを間違っているかもしれませんので、もう少し弄ってみますが ・・・ 木星の模様もショボいので無理かな。

カセグレン式鏡筒の光軸調整

 梅雨に入って暫くは星撮りに出かけることも無いので、前から気になっていましたカセグレン式鏡筒用レーザーコリメータを使って光軸調整をすることにしました。
Howie Glatterさんのコリメーターは米国の望遠鏡ショップで扱っていますが、人気商品なのか在庫切れのところが多いようです。
唯一、在庫アリのStarlight Instrumentsから購入しました。
一点は1.25"用のレーザーコリメーターでModel:SI-LC125-635、ニュートン用とは違い戻り光線をチェックできません。
もう一点はレーザー光線を同心円パターンに変換するホログラフィックアタッチメントのModel:SI-HOLAです。
取説は付属しませんので、販売店の説明などを参考に使います。

Laser-Collimator_20180615.jpg
 今回の購入品

Concentric-Circle_20180615.jpg
 レーザーコリメーターに先端には通常光線用のアタッチメントが付いていますが、それを交換することで同心円パターンを照射するようになります。

AT10RCスケアリングチェック_20180615
 先ずはAT10RCの接眼部の傾きをチェックします。
この場合はノーマルのコリメーターを接眼部に差し込んで、副鏡に貼られている黒の中心円の中に光線が入っているかを筒先からチェックします。
上の写真ではちょっと解り難いのですが、レーザーのマークは僅かに円の外に出ています。
これを副鏡の中心円内に入れるように調整する機構はAT10RCには付属していません。
AT10RCはGSO-250RCと同じで、Astro-Techから接眼部調整リングが別売されていますので、それを購入して主鏡セルと接眼部の間に挿入しなければなりません。
これは既にAstronomicsに注文したのですがまだ届いていないので、今回は単にどのくらい傾いているのかチェックするだけに留めました。
Astro-Techでは35mmフルサイズ以上のイメージャーの場合は接眼部調整リングの使用を薦めています。

AT10RC-Concentric-Circle光軸調整_20180615
 これは光軸調整が完了した状態ですが、実際にパターンを見ながら調整してみましたがどうも判然としませんでした。
接眼部に同心円パターン照射のコリメーターを挿入すると、直接副鏡の周辺から壁に投影される円と、副鏡→主鏡に反射して投影される円があるのでそれらを同心に調整するようです。
しかし、迷光防止用の主副鏡のバッフルがシッカリしていると直接副鏡周辺から投影されるパターンが遮られてしまうようです。
結局、大方はセンタリングアイピースを使った従来の方法で合わせおいて、その後確認のために今回購入したコリメーターを使ったという感じです。
上の画像では投影パターンでは4本の円が写っていますが、コリメーターを直接壁に投影すると円は9本です。
中心側の5本が副鏡と主鏡バッフルで隠されているわけですが、これが半欠けになっていなければ良いのかなあと考えて調整完了としました。
 まだ、実写確認していないので確定的なことは言いにくいのですが ・・・ これではセンタリングアイピースでの調整とあまり変わらないような感じがしました。

ニュートン鏡筒用レーザーコリメーターによるスケアリング確認_20180615
 尚、ここまでの調整だけでは正しいイメージャーのスケアリング調整にはなりませんので、ニュートン鏡筒用の光軸調整に使用するレーザーコリメーターを使って確認します。
上のように接眼部から照射した光線が副鏡に反射して、しっかり元に戻ってくればOKです。
ただし、AT10RCにはこのスケアリング調整機構も付属していません。
前記の接眼部調整リングというのは副鏡の非球面回転軸に光軸を乗せるための調整機構です。
プロ仕様で副鏡が非球面のクラシカルカセグレンやリッチークレチャン鏡筒では、副鏡部にXY方向のシフト機構が必ず設置されていますが、AT10RCでは主鏡と副鏡のXY方向のズレは無いものと考えているのでしょうね。

土星と火星 (6/5)

 朝霧でFFC20のフィールドテストを終えて帰宅すると既に木星は西に大きく傾いていました。
出掛ける前にベランダに出してあったミード20cmシュミットカセグレンで久々の惑星撮影です。

Saturn_20180605-020652JST.jpg
土星
2018年06月05日02時06分52秒JST
Diameter=18.13" / Magnitude=0.14 / CMI=168.2° CMIII=232.0°(during mid of capture)
MEADE LX200 EMC(D203mmF.L.2000mm) + X2.5Ballow+ZWO ADC+ASI290MC
Gain=460 / Shutter=20.0ms / Duration=120s / 49FPS-5979コマ(40%スタック)

Mars_20180605-032208JST.jpg
火星
2018年06月05日03時22分08秒JST
Diameter=15.92" / Magnitude=-1.33 / CM=99.3°(during mid of capture)
MEADE LX200 EMC(D203mmF.L.2000mm) + X2.5Barlow + ZWO ADC
L:R(No.25)filter + ASI290MM / Gain=360 / Shutter=4.00ms / Duration=120s / 179FPS-21482コマ(40%スタック)
RGB:ASI290MC / Gain=400 / Shutter=3.00ms / Duration=120s / 203FPS-24478コマ(40%スタック)

 火星を撮影するころからイメージが悪くなってきました。

FFC20のフィールドテスト

 昨夜は梅雨入り直前の晴れ間が期待できそうでしたので、朝霧までFFC20のフィールドテストに出かけました。
23時過ぎには下弦前の月が昇ってくるので、目的はテスト撮影のみです。

FocusZero_20180604.jpg
 焦点像

FocusOut_20180604.jpg
 焦点外像

FocusIn_20180604.jpg
 焦点内像
室内のように星像は安定しないので、プリントスクリーンによるキャプチャーのタイミングで少々形が崩れています。
前回のような明らかに主鏡の変形による酷い影響は無いようです。
星像確認はASI1600MM-Coolですが、オーナーさんはEOS6Dを使われるとのことでしたので、私もEOS6Dを使ってテスト撮影を行いました。

FFC20TEST-EOS6D-M13_20180604.jpg
M13
EOS6D-SEOSP4 / ISO3200 / 30sec
 時々広がる雲の合間を縫っての撮影です。
FFC20には接眼部にスケアリング調整機構がありませんので、副鏡の傾きで像面の傾きも決まります。
スケアリングエラーがどの程度残っているか心配でしたが、35mm版の四隅でも問題無いようです。
この画像はダークもフラットも補正してありませんので、EOS6Dのミラーケラレや四隅の周辺減光が現れています。
カメラマウントはM42Tリングなのでマウント部の有効穴径がφ39mmしかありません。
ここはM48Tリングを使用できるように改造して、マウント有効穴径がφ44mmに広げたいところです。
FFC20はこれで返却の目途が付いたのですが、もう少しチェックしたいことを完了してからオーナーさんに戻します。

PHD2TEST_20180604.jpg
 このテスト撮影の間、AZ-EQ6GT赤道儀の追尾状態をモニターしていたのですが、もうジャンプは発生しなくなったようです。
これで安心して梅雨明けを迎えられますね。

太陽黒点2712群のHa画像

 久しぶりに活動が低調な太陽を撮影しました。
2712群が西縁に回って、もしかしてフレアでも起こればポストフレアループが見れるかとも思ったのですが ・・・
黒点も既に消えかかり、Ha光でもあまり面白みがありませんでした。

Sun_Halpha_20180604-133030.jpg
2712黒点群のHα画像(疑似カラー)
2018年06月04日13時30分~20秒 2245コマ中20%合成
Kenko SE120L(D120mmF.L.1000mm)+DayStar-QUARK(0.5Å)+ASI174MM
VixenGPD赤道儀にて自動運転
AutoStakkert!2.6、PixInsight1.8、PhotoShopCS6にて画像処理

 先日、国立天文台が発表した「2018年04月の太陽活動」では、「今月の現象で特に注目されるのは、南半球に次の太陽活動周期(第25周期)のものと思われる黒点が出現したことです。」とありました。
http://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/solarobs.html
 実は昨年の12月にロシア科学アカデミーが第24周期が終了しているのではないかというニュースを流しています。
本日撮影した2712群は既に新しいサイクルである第25周期の黒点なのでしょうか。
2017年12月で第24周期が終了したとするとその期間は9年で平均の11年に比べて極端に短くなっています。
前第23周期の場合は逆に12.6年と非常に長く、今度は短くなって ・・・ 第23,24周期を平均するとほぼ11年にはなるのですが、どうもそういう問題ではないようです。
 昨年の8月に伊豆の国市で行われた宇宙気候学を提唱する宮原ひろ子先生の天文講演会でも話題になりましたが、第23周期に続いて第24周期も11年を大きく上回るようであれば、太陽活動は極小期に突入したことになるという見解が気になりました。
太陽活動の周期と黒点数には相関があって、古気候学で見た太陽活動と地上気温にも相関があるそうです。
既に現在のような太陽黒点観測が開始されていた1645-1715年の間はマウンダー極小期と呼ばれ、極端に太陽黒点数が減少して活動周期も14年にも達していたようです。
太陽活動が低下すると何故地球の気温も低下するかというロジックは未だ万人が認めるものはありません。
最も有力なのがスベンスマルク効果と言われる理論です。
太陽活動の低下に伴って磁場の弱化が進み太陽系外から銀阿宇宙線の侵入が増えて、地球大気中のエアロゾルおよび雲の生成が促進されるというものです。
これによって地球全体のアルベド(反射率)が上昇して、太陽光が地表に到達するのを妨げるようになるために寒冷期が訪れるという話です。
 8月には、月光天文台の第21回天文講演会が行われます。
この時は太陽観測で活躍されています京都大学の柴田一成先生が講師ですから、太陽の第24周期の報告や今後の活動予測のみならず、やはり地球の気温低下に関する見解もお聞きしたいと思っています。
http://www.gekkou.or.jp/events/lecturemeeting21.html
 演題も『太陽活動と地球環境』ですから、集中的にこの手の質問をできそうでピッタリ、皆様も良かったら参加されては如何でしょう。
暑い頃ですからエアコンの効いたホールで興味あるお話を伺って、しかも無料とは嬉しいです。
新月期ですから、その晩のお天気が晴れの予報であれば車で参加して講演会終了後に伊豆方面でペルセウス座流星群を眺めましょう。
お天気が期待できないようであれば電車で行って帰りは三島で大反省会(暑気払い)をやろうかと思っています。
プロフィール

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Author:voyager_camera
小惑星観測屋崩れの三流天体写真家です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に努めています。天文雑誌などのフォトコンには怖くて応募しませんが、このブログ以外でも写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
mail:y-osima@r.sannet.ne.jp

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