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追尾ジャンプの解消

 AZ-EQ6GT赤道儀の追尾ジャンプ問題で大騒ぎした後、暫定処置として接点清掃を行い次の出撃を待つつもりだったのですが ・・・ 昨晩はどうもテストくらいは出来そうなお天気になりました。
善は急げということで、ジャンプ問題個所特定の切り分けテストに出かけました。
場所は朝霧ですが、もしかしてスンナリ問題解決したら何か写真も撮ってこようと思ってのことです。
結局、写真を撮る暇なんかなかったのですが ・・・

 未だ上弦前の月が残っていましたが、雲も少なくてテストには十分な空です。
何時ものように架台を組上げて電源を入れてアライメント ・・・ あれーっ?
何かおかしいですよ、アライメントを開始しましたが筒が星と全然違う(時角)方向を向いてしまします。
ハンドコントローラーの方向キーで無理やり向けてアライメントを実行しようとすると45°以上の修正は受け付けないのか、アライメント失敗です。
 何時もはあまり読まないSynScanの英文のマニュアルを見ると、どう内蔵エンコーダの値が実際の緯度・経度・日付・時刻から作られる時角とうまく合わないようでした。
AZ-EQ6GTはクランプフリーにしても位置表示できる補助エンコーダを持っています。
赤道儀本体の基板清掃をした際に、モーター軸のエンコーダとは別に持っている外付けのエンコーダ用アップダウンカウンタのプリセット値がズレてしまったような感じ ・・・ ええっ、バックアップ電池をOFFしていないし、エンコーダのコネクタは外してもいないので、こんなことになるとは思っていませんでした。
 何だかよく解りませんが、SynScanのSetupの中には"Enable/Disable Auxiliary Encoder"と"Synchronizing Encoders"という設定がありますので、先ずは"Enable"になっていた"Auxiliary Encoder"を"Disable"にして。
筒と星が大きくずれたアライメントを少しづつ近づけるように繰り返し行って。
ちゃんとアライメント出来たら、そこで"Synchronizing Encoders"を実行すると、シンクロ星の選択を求めてくるので、アライメントと同じ星を選びます。
そこでアライメント同様、シンクロ星を視野中央に移動してエンターキーを押すと"Sync Encoder Completed"と表示されました。
ここで"Auxiliary Encoder"を"Enable"に戻して、完了 ・・・ か?
 どうもこれで今までのようにアライメントができるようになりました ・・・・・・ 一体なんでこんなことになったんや!
違う違う、ジャンプ問題の切り分けテストに来たんでした。

JumpTest_20180521.jpg
 れれれっ、れれっ、どうもトラッキングエラーを出しませんねえ。
オートガイドを始めて記録を取ってみましたが、1時間以上経過してもジャンプ現象が発生しません。
うーん、接点清掃だけで解消してしまったようです。
この赤道儀を購入してから5年、電気オンチの私は一度も接点清掃を行っていませんでした。
色々な人に相談して、大騒ぎして、挙句の果てがこれかい。orz

 前回の記事をご覧になって「スワッ、スカイウォチャー赤道儀に問題か?」と思った皆様、本当にお騒がせいたしました。m(_"_)m
今回の接点清掃は綿棒にアルコールを付けてシコシコ擦っただけですが、これを機に接点復活スプレーを購入しましたので、綿棒と併せて持ち出し観測用品に加えました。
「レンズはピカピカでも、定期的な接点清掃もしない奴は星家として失格じゃ!」 と自分に言い聞かせています。・・・ voyager_camera
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Sky-Watcher AZ-EQ6GT赤道儀の追尾ジャンプ!

 最近のメインで使っているAZ-EQ6GT赤道儀のトラッキングに異常が起きています。
赤経方向の追尾が時々ジャンプするのです。
 この赤道儀は未だケンコーさんのNEWスカイエクスプローラーシリーズに加わる前の2013年5月に星見屋さんからSky-Watcher製品として購入しました。
その頃もPHD2によるオートガイド時の動きが安定せずに頭を悩ませたものですが、購入から2年ほど経ってモーターファームウェアの新バージョン2.11がリリースされていることを知って、早速バージョンアップしましたところ動きが安定するようになりました。
それから3年もの間満足する動きだったのですが、ここへきて赤経方向にジャンプ現象が発生するようになりました。
仕方なく、無い知恵を絞って原因を特定しようとしています。

1.状況の把握
 1)トラッキング以外の動きは従来通りで問題ない。
 2)赤経方向のみに不定期でジャンプする。(時間経過とともに発生頻度が上がっている感じ)
 3)ジャンプする方向はプラス(増速)、マイナス(減速)方向のどちらにも起こる。
 4)恒星時追尾時にジャンプを放置した場合の移動量は0.5~1分角程度である。
 5)オートガイダーを使っていない時にも発生し、ジャンプの立ち上がりが急峻であるため、PHD2の0.5秒露出による最大修正時間2000msでは対応できない。

2.原因の特定
 1)機械的エラー
  ジャンプが急峻であったり、赤経正逆両方向へであったりすることから、ギヤへの異物噛み込みや過負荷による脱調などの可能性は低いと思われる。
問題発生時にウォームギヤのクリアランスを緩めてみたが改善傾向は認められなかった。
この可能性は無いと思われる。
 2)制御ソフトのバグ
  この赤道儀のコントローラーファームおよびモーターファームのバージョンは最新で、現在メーカーサイトでこの手の問題における報告は無い。
赤道儀の運用方法として外部とは非接続での運用であり、これまで3年間の運用で問題が無かったことから、この可能性も無いと思われる。
 3)電源電圧の低下
  電源は車載の出力モニター付きのディープサイクルバッテリーで、運用時の電圧は12.5~13.0Vであり問題はなかった。
 4)電気ハードの故障
  赤経方向のトラッキングエラー以外に異常は認められないし、常時不正運転状態でもないことから、どこかの接触不良の可能性が高い。
電気回路構成は赤道儀架台内のマザーボード+ケーブル+SynScanコントローラである。
これら3点からマザーボード原因の可否を特定するには、コントローラを取り外して直接PCから赤道儀を制御する方法がある。
もしコントローラなしでも同じ現象が発生するのであれば、マザーボードかボードから赤経モータへのケーブルかそのコネクタと思われる。
コントローラ無しで問題が発生しないようであれば、ケーブルを交換して問題がコントローラかケーブルのどちらかに存在することが特定できる。
ということで、次の出撃では先ずは一番検証しやすいケーブル交換から実行して、問題の切り分けを始めることにします。

 その前に、各コネクタの接触不良による誤信号が原因という可能性もありますので、暇に任せて接点復活作業から開始しましょうか。
AZ-EQ6GT基板表_20180521

 赤道儀内のマザーボードは両面基板で、裏はこんな感じです。
AZ-EQ6GT基板裏_20180521
 なんだか細かくて、電源以外のコネクタもチッチャ!
とても触りたくなかったので、赤経モータへのケーブルコネクタだけ外してクリーニング ・・・ 他は見なかったことにして元に戻しました。
勿論、本体やコントローラのコネクタ(メス)やケーブル(オス)はシッカリとクリーニングしました。(直ぐに終わっちゃいましたが)
 ケーブルは一般のLANケーブルが使えますので直ぐにでも新品交換しますが、コントローラやマザーボードだとお金と時間が掛かります。
現在国内のSky-Watcher正規ディーラーはシュミット(サイトロンジャパン)さんですが、マザーボードを単品で販売してくれるかは不明です。
まあ、ドイツのTeleskop Serviceさんがネット販売していますので、そちらでも良いですね。
ああっ、それは原因パーツが特定できてから考えます。(あまり考えたくない)

 ついでに、最近時々起動時にモーターがガーッと回りだすGPD赤道儀のスカイセンサー2000PCのコネクタもクリーニングしましょうか。
あらっ、ケーブル先端の圧着用カバーケース(ヒロセ:HIF3-20CV)が一部損傷しています。
SS2000PCケーブル圧着用カバーケース破損_20180521
 最近、どーもグラグラしているなあと思っていたのですが、そーだったのか。
これも交換したい ・・・ ¥335で送料¥648で売っていましたが ・・・・・・ voyager_camera

富士山五合目による星見

 5/12(土)の週末は天文講演会後に西伊豆遠征を考えていたのですが、当日は晴れる望み無しと判断して見送りました。
5/14(月)は晴れそうだったので、何時もの通り八ヶ岳方面へ出かけようとしたのですが、直前のGPV予報を見て急遽富士山方面か西伊豆という選択を迫られました。
結局、近場の富士山方面で落ち着いたのですが、先日の月・惑星撮影時のイメージが頭に残っていたので、イチかバチか富士山富士宮口新五合目駐車場ということになりました。
日没前にYさんと現着です。
結構雲が多かったのですが、日没とともに晴天が見込まれたのでそのまま待機していました。
すると会社から帰途中のNさんから、これから合流するという連絡が入って21時頃には三人での星見が始まったのですが・・・
 先ず、Yさんが20cm反射を出して木星を見たのですが、うーん先日と比べるとイメージが悪いですねえ。
事前の予報では上空をジェット気流が通っているのであまり期待していなかったのですが、案の定です。
流石に標高2400mといっても更に上空の気流が速ければダメですね。
富士山五合目は光害がキツイのですが、透明度とイメージが良ければ春の銀河撮影には良い観測地かと思っていたのですが期待外れでした。

富士山五合目富士宮登山口-1_20180514
 駐車場から見た南の風景です。
YさんからもNさんからも「こりゃ明るすぎる!」とダメ出しを受けて、もう意気消沈。

富士山五合目富士宮登山口-2_20180514
 北天は比較的良いのですが、富士山五合目に登って北天を撮影する人はいませんね。

 それでも春の銀河撮影を開始したのですが、スカイウォチャーのAZ-EQ6GT赤道儀の追尾にシャックリが発生してPHD2での補正も効かず・・・もう、全滅でした。
前回、八千穂高原へ出かけたときも何やらおかしい状況だったのですが、ここへきて最悪の状況になってきました。(最近はトラブルが多くて頭が痛い)

 というわけで、この日は全く成果も無く、YさんNさんと「次回は西伊豆にしましょう」と約束して下山しました。
Yさんの次は6月の新月期のようでしたが、今年は梅雨入りが早そうなのでどうかなあ ・・・・・・ voyager_camera

Tamron SP85mm F/1.8 Di VC USD 再び

 5/10は調整中ベーカーシュミットカメラの最終確認のつもりで八千穂高原へ出かけました。
テストがメインの目的なので、近場のお天気が良ければ朝霧でも良かったのですが、あいにく富士山方面の予報が芳しくなかったので遠くまで出かけました。
当夜は素晴らしい天候に恵まれたのですが、ベーカーの星像が酷い三角形でした。
自宅のコリメータテストで星像は丸くなったと思っていたのですが、前回のテストと同じく再び三角形とは・・・トホホ。
観測地の車中で主鏡セルから主鏡を取り外すという暴挙に出た結果、セルが主鏡を締めていました。
夜半前にはテスト中止、後はカメラレンズで夏の天の川を撮影して帰ってきました。
 帰宅してからセル内径と主鏡外径の測定を行ったところ、使用時の外気温が下がると線膨張係数の違いでクリアランスがゼロになることが解りました。
ということで、現在オーナーさんに今後の方針について問い合わせ中。(対策はセル内径の拡大しかありません)
他にも国内でリヒテンネッカーのベーカーを持っておられる方がおられると思うのですが、一体どういう状況なのか不思議ですねえ。

 前置きはこのくらいにして、時間つぶしに撮影したタムロンSP80mmの画像をご覧ください。

さそり座頭部_20180510
さそり座北部
2018年05月10日23時44分~24時45分 / 150秒露出×24コマ
キャノンEOS6D(SEO-SP4,ISO1600)
Tamron SP85mm F/1.8 Di VC USD(絞りF2.8)
VixenGPD+SS2000PCにてP-PEC自動運転
PixInsight1.8、SI7、PhotoShop CS6他にて画像処理

白鳥座北部_20180510
白鳥座北部
2018年05月11日00時57分~01時38分 / 150秒露出×17コマ
他は同上
1時間総露出予定だったのですが後半雲られました。
やっぱり、このレンズなかなか満足できます。

第20回 宇宙と天文の講演会

 昨日は伊豆の国市韮山時代劇場で行われた月光天文台主催の宇宙と天文の講演会に出かけました。
何時もの仲間3名との参加でした。

月光第20回天文講演会-0_20180512
 これは講演会前恒例のミニコンサート(たなかみどりさん)です。

 今回の講師は千葉工大主席研究員の荒井朋子先生で、演題は「流星群とその由来天体から地球生命の起源に迫る」というもので、14時から1時間半お話を伺いました。
月光第20回天文講演会-1_20180512

月光第20回天文講演会-2_20180512

月光第20回天文講演会-3_20180512

月光第20回天文講演会-4_20180512

月光第20回天文講演会-5_20180512

月光第20回天文講演会-6_20180512
 講演会終了後は、近くのCOCO'Sで1時間ほど講演会の中身についての評論会を・・・
特に千葉工大にどうして惑星探査研究センターなどが造られたのか、20名以上のメンバーの人件費は誰がどのような形で工面しているのか等、とても講演後の質問では取り上げられないような下世話な話題で盛り上がりました。(笑

 次回の講演会は8/11柴田一成先生の「太陽活動と地球環境」という大変興味深いテーマで、是非にも参加したいと思っているのですが、今回一緒に参加したメンバーからは日時の設定に不満が漏れていました。
今回もそうだったのですが、新月期の土曜日は星見遠征に出かける人にとっては迷惑な日程ですね。
各地の天文同好会の例会などもそうですが、基本的には満月前後の週末が一般的だと思うので、講演会アンケートにはメンバー揃って開催日を一考してほしい旨意見を書きました。

 〆は三島に出てから、それぞれの帰途に就く前に焼鳥屋さんで3時間ほどの反省会を行いました。
反省会の方が目的だったりして・・・何も無しで反省会だけはできないので、仕方なく講演会に参加しているのではありません。(キッパリ!)
次の講演会が楽しみです。

リヒテンネッカーのアストロカメラFFC4.0/760

 ベルギーのハッセルトという小さな都市にあるリヒテンネッカー光学(Lichtenknecker Optics)のFFC(Flat Field camera)の調整を行いました。

テスト設定_外部クリーニング済_20180331
 ある方からお預かりした光軸調整依頼品なのですが、所謂ベーカーシュミットカメラです。

補正板クリーニング_20180404
 補正板をクリーニング他

主副鏡ユニット取り出し_20180404
 主鏡・副鏡の温度補償機構を引出してみる

主鏡セル_20180404
 セルでの主鏡収納状態

副鏡構造2_20180404
 副鏡支持機構

 FFCは有効径190mmF4.0ですが、アストロカメラとしては比較的F値が暗い方です。
ベーカーシュミットカメラは皆さんが良くご存知のシュミットカセグレンの兄弟光学系で、広写野の平坦像面を得るために補正板位置を主鏡の球心付近に配置します。
副鏡の拡大率が約1.5倍ですから、鏡筒長が合成焦点距離のほぼ1.3倍くらいになります。
目的は違いますがシュミットカセグレン鏡筒長は合成焦点距離の約1/5ですから、それに比べて随分と長いものです。

 ベーカーシュミットカメラをカタログ製品として市販していたメーカーは、イタリアのZENとベルギーのリヒテンネッカーくらいしか思いつきません。
どちらも独自のスタイルで設計されていて、実際に分解してみると参考になります。
 私も21cmF3.2と40cmF3.4の2本のベーカーシュミットカメラを製作しましたが、いずれもZENと同じく平坦形補正板と直進ヘリコイド式接眼部を採用しました。
それに比べて今回調整したFFCはR付き補正板と副鏡移動式固定接眼部を採用しています。
その他にも、主鏡の保持方法が違っています。
ZENはMeadeやCelestronのシュミットカセグレンと同じく、主鏡にバッフルを通すようにして中央穴周辺で支持しますので主鏡セルが存在しません。
それに比べてFFCは主鏡バッフルが存在せず、主鏡はセルに収めて外周で支持しています。
主鏡を外周で支持すると、ちょっとした不均等な圧力で直ぐに面が歪んで星像を乱します。
それに比べてZENやシュミットカセグレンの主鏡支持方法は機構も難しくなく歪みにくいので取り扱い易いですね。

光軸室内簡易調整準備(糸張)_20180405
 一般にベーカーシュミットカメラは光軸調整が難しいと言われることが多いのですが、それは違っています。
補正板、主鏡、副鏡が全て同軸上に配置されていますので、補正板の非球面軸が大きく偏芯製作されていない限り、完全なシンメトリーを目指せばよいことになります。
イプシロンなどに比べて遥かに簡単です。
上の写真は筒先に十字に糸を張って主鏡の傾きを調整の準備をしているところです。

主鏡調整完了_20180405
 十字の中心に目を置いて、上の写真のようになるよう主鏡の傾きを調整します。
ぼやけた十字の中に主鏡に移った十字の糸が見えますでしょうか。

副鏡調整完了_20180405
 次に接眼部にセンタリングアイピースを取り付けて副鏡の傾き調整をします。
ここに見える白い円は副鏡に写った像です。
その中に見える十字糸と更に内側の白いリングの中の十字糸が上下左右ズレていないことにご注意ください。

 室内での光軸調整はここまでです。
後は実際にフィールドに出て、焦点内外リング像を見ながら全周一定幅になるように副鏡のみ調整すれば完了です。
FFCのようにF4位の場合はこれで充分ですが、更にF値が明るい鏡筒では焦点の極近傍でのアスを見ながら主鏡の傾きの微調整を行います。
これは主鏡軸が補正板の非球面中心から外れるとアスが発生することを利用した調整です。
余りイメージの悪い場合はこのテストが出来ませんが、そのような夜の撮影は星像も肥大しているので気にしなくても良いですね。
凄いイメージの良い空に出くわしたら、その時に行えばよい最終調整でしょうか。

 FFCで最も素晴らしいのはR付き補正板です。
フラットフィールドカメラと呼ばれる光学系にはベーカーシュミットカメラ以外にマクストフカメラなども存在します。
撮影写野に輝星が入り込むと平面形の補正板を使ったベーカーシュミットカメラでは激しいゴーストが発生します。
最近の4~5層の反射防止コーティングで、ある程度までは防ぐこともできます。
しかし、淡い星雲などを目一杯炙り出すような画像処理にかかっては、ゴースト発生は致命的な問題になります。
 実はマクストフカメラではこのゴーストの発生がありません。
その違いは補正板が平面かR付かの違いによります。
元々、ゴーストの光源は焦点面に作られた輝星の光点です。
この光点が光源となって副鏡、主鏡、補正板と戻り、補正板表面で僅かに反射した光束が再び焦点面側へ進んで少し広がった副星像をゴーストとして作り出します。
従って、補正板がR付き(マクストフ補正板のように主鏡側が凸)になっていると、主鏡から戻って来た光束が再び補正板に反射されても、広がってゴーストを作り出すことが無くなります。
それなら最初からマクストフカメラの方が良いと思われる方もおられるかもしれませんが、マクストフ補正板はシュミット補正板に比べて厚い光学材料が必要なのでコストが高く、おまけに星像はベーカーシュミットカメラの方が優れています。
 FFCの補正板を見ると僅かにRが付いています。
表裏面を夫々大きく傾けて、部屋のシーリングライトなどを映して比較すると、明らかに大きさが違うことが解ります。

FFCTEST_M8-20180413.jpg
 室内での簡易光軸調整を完了させてからフィールドへ持ち出してのテスト撮影結果です。
ゴーストチェックを行えばよかったのですが、最初にこの画像を撮影してテストは即終了です。
星が三角形になっていますので、これ以上のテストは意味がありません!
FFCにはスケアリング調整機構がありません(ZENも同じです)が、その点はこの画像を見る限り問題ないようです。

5μピンホール人工星-内外像_20180411
 帰宅してから20cmシュミットカセグレンを利用したコリメータを製作して調べた焦点内外像です。
(画像は4/14の記事に使用したものです)

 光軸調整だけだと思っていたら主鏡が歪んでいます。
これで主鏡セルから主鏡を取り出して歪みの原因を取り除いてやらなければなりません。
簡単に終わると思っていた調整でしたが、とんだハプニング発生です。
結局、前にも述べましたように、主鏡をセルに収めている構造が災いしていました。
セル枠内径と主鏡外周とのクリアランスが極端に小さくて、しかも双方とも真円形ではなく僅かに三角形をしていたようで、所定の位相に収めないと主鏡がおむすび形に歪むようです。
セル内径が三角形であることは三つ爪チャックに咥えて旋盤加工を行った際の変形であることは想像できますが、主鏡側が三角形に変形していることはガラス材のグラインディング作業を想像すると起こりえない現象です。
セル内径が三角形でも主鏡外周が真円であればこのような問題は発生しない筈なんですが、謎です。

FFC主鏡歪み解消後の星像_20180502
 主鏡が歪まないセル・主鏡の位相を探し出し、再びコリメータのよる星像テスト結果です。
通常、メーカーでは組み合わせるパーツには合印を付けますが、FFCの場合は主鏡や補正板のコバに書き込まれた手書きのシリアルNo.が基準位置になっているようでした。

 随分と手間取りましたが、後は再度フィールドテストで問題の無い星像が得られるか確認したらオーナーさんへ返却です。
プロフィール

voyager_camera

Author:voyager_camera
小惑星観測屋崩れの三流天体写真家です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に努めています。天文雑誌などのフォトコンには怖くて応募しませんが、このブログ以外でも写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
mail:y-osima@r.sannet.ne.jp

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