パンスターズ彗星(C/2017 S3) 20180721

 昨朝、パンスターズ彗星が急増光して結構長い尾が撮影されているようでしたので、今朝はガリバーへ出かけました。
夜半前に到着して早速機材をセットしたのですが、星が見えないだけでなく小雨のぱらつく始末です。
それでも望遠鏡にシートを被せて晴れ間を待ちました。
02時頃に雲が切れ始めて富士山も顔を出し、薄明までの1時間程は天の川も見える幸運に恵まれました。

C2017S3_20180721.jpg
C/2017 S3(PanSTARRS)
2018年07月21日 02時33分~03時02分 JST
BDC21F32(D210mmF3.2) EOS6D-SEOSP4 ISO3200 120secX14
 ぱっと見て、どうも昨日のように尾が伸びているような感じがありません。
10X40の双眼鏡ではコマのみがぼんやり見えるようになったので、7/15に比べて随分と明るくはなっているのですが。
彗星基準でスタックし恒星を流すとバックが五月蠅くなるので、久々にDSSを使って彗星・恒星基準での合成を試みたのですが中々上手くゆきません。
lightフレームのスタック・パラメータを色々変えてみたのですが、バックに消え残った星像がゴミのようになったり、移動方向にコマが流れたようになったりでものになりませんでした。
仕方なく恒星を流したまま尾を引っ張り出せないかと処理してみたのですが、上の写真が精一杯です。
尾は画面の右上の対角方向に伸びている筈ですが、モノクロ反転画像を見ても有るのか無いのか解りません。
もう暫くは月の影響が無く撮影するチャンスはあるのですが、どうもお天気が思わしくありません。
何とか尾の伸びた姿を撮影したいので、月の影響を受けない7/25まで粘ってみますが、どうなりますか。

久々のBSC21F32_20180721
 今朝の撮影は昨年末以来で引張り出した自作のベーカーシュミットカメラです。
梅雨期間に光軸調整を行ってから初めての撮影でした。

BSC21F32TEST_20180721.jpg
 これが彗星を撮影する前にピント出しを行ったときの画像(ISO3200/30sec/JPEG/ダーク・フラット補正無し)です。
画面中央はα And(Alpheratz)です。
2等星ですが、左側に淡く青いモヤモヤしたゴーストが写っています。
ゴーストは補正板にマクストフ補正板のような曲率を持たせることで消すことが出来そうなので計画中ですが、完成するのは何時になりますか・・・
スパイダーによる光条は四方の長さが異なって恰好悪いですね。
スパイダーをもっとビンと外側へ引っ張って、対辺の羽根を一直線にしないといけないのかな?
元々、6X7版用に設計してた鏡筒でイメージサークルはφ80mmほどありますから、四隅の減光はマウントによるケラレです。

BSC21F32切出し星像_20180721
 等倍で中央と四隅を切り出した画像です。
星像もスケアリングも満足のゆく状態でした。

 薄明が始まって、機材をそのままに車内で仮眠したのですが、目が覚めると全天厚い雲に覆われていました。
帰途、富士市内まで戻ると青空が戻ってきましたので、ガリバーは富士山周辺に貼りついた雲の中だったのでしょうか。
もし7/25までに再度チャンスがあるのであれば、今度は井川方面かな。
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惑星撮影システム・パワーメイト版

 これまで検討してきた惑星撮影システムで、フリップミラー方式を捨てない以上はこれしか無い、ということでテレビューのパワーメイトを購入してしまいました。

POWERMATEが来た_20180718
 今回選択したのは2x パワーメイト、2インチです。
幸いと言いますか、ジズコさんが出品しているアマゾンのショップでは在庫があったので、2日で届きました。
保証カードが添付されていて安心ですね。(あれっ、保証期間が書かれていない・・・?)
これまでの惑星撮影の経験からF25~F30位がベストと思っていたので、4xとどちらにしようかと迷ったのですが、土星の撮影を考え2xで手を打つことにしました。
F40で使うと幾らカメラのGainを上げてもシャッターが50ms以上になり、取り込みが最高でも20FPSにしかならないので、余程大気の安定した状況でなければ真価を発揮できそうにもなかったからです。

最終面は凄い凸_20180718
 おおっ、最終面は凄い凸面ですね。
ジズコさんのHPの解説を見ると、このためゴーストやハローが発生しにくいとあります。
私はバローレンズを8本持っていますが、月面を撮影するとモニター画面全体にも達するような明るいハローを発生するものが殆どで、月面拡大撮影に使えるものは今のところ1本しかありません。
これで月面撮影もできる仲間が増えた鴨。

2群4枚構成_20180718
 流石に2群4枚構成だけあって、レンズエレメントが長いですね。
バローレンズはバレルの先端に短いレンズエレメントがねじ込まれていますが、パワーメイトはこの長いところがミソですね。
惑星撮影ですが、2インチバレルだと懐が深くてコントラストも良さそう。

惑星撮影システム・パワーメイト版_20180718
 これが新しく試してみたい惑星撮影システム・パワーメイト版です。
4x パワーメイト、2インチでは、スリーブを外してTリングアダプターを介しADCを接続できるようですが、2xではこのようにするしかありません。
その為、全長が280mmと結構長くなります。
写真のスケールはBFを見るために置いてあるのですが、およそ190mmに達しています。
しかしパワーメイト、特に2x2インチと2.5x1.25インチはほぼ完全なテレセントリック光学系なので、フランジバックの長短に関わらず倍率がほとんど変化しません。(収差も変化しないと思われる・・・希望)

PowermatePowerIncrease-w480.jpg
 このグラフの一番下の黒い線が購入したものです。
当たり面から像面までというと140mmになりますので、グラフの範囲を出てしまっています。
想像しますに、今回のシステムでは2.2x位になるでしょうか。

 先日の遠征から後は、自宅で星空が見ることが出来ていません。
基本的には高気圧に覆われて上空にジェット気流も無く、晴れさえすれば惑星撮影に絶好の条件です。
しかし、自宅のベランダでの撮影だと暑い、そして蚊が来る。
それに比べて先日のガリバー遠征時は極楽でした。
兎に角涼しいです。
蚊は夕暮れにいたような気もしますが、気温が下がって長袖を着用してからは全く気になりませんでしたからね。
月が明るくても、晴れたら惑星を見に山へ出かけたいものです。

FFC20の調整終了

 3月の末にあるオーナーさんからお預かりした、リヒテンネッカーのフラット・フィールド・カメラFFC20(D190mmF4.0)の調整を、7/15のフィールドにおける最終テストで終了します。

デネブ付近のFFC20テスト画像-ISO3200-30sec_20180715
デネブ付近のテスト撮影
FFC20 / EOS6D-SEOSP4 / ISO3200 / Expo.30sec / ダーク、フラット補正無しのJPEG画像
 画面の下にカメラのミラーボックスによるケラレと、四隅にカメラマウントのケラレによる減光が見られます。
デネブ周辺には丸いゴーストが薄く見えています。
淡い星雲などを撮影してきつい画像処理をすると、もっとハッキリ浮かび上がってくるはずですが、この鏡筒の仕様ですので仕方ありません。

FFC20テスト画像100切出し_20180715
 これは上の画像の中央と四隅を100%で切り出したものです。
よくよく見ると、星像が僅かに歪んでいます。
これは6/20の報告にも書きました主鏡の歪みとスケアリング・エラーが原因と思われます。
主鏡の歪みにつきましてはセルの側面、前面のネジを緩めるだけ緩めていますので、既に手詰まりの状態です。
主鏡そのものに残るアスの可能性も皆無というわけでもありませんので、オーナーさんにご了解を頂くつもりです。
また、スケアリング・エラーのことですが、この鏡筒にはスケアリング調整機構が付属していません。
主鏡と副鏡が同軸上に無く、接眼部の取り付けられているバックプレートが光軸と直交していなければスケアリング・エラーが発生しますので、これも対策が取れません。
ということで、調整だけと思って引き受けた鏡筒ですが、追加工も含めて既に4か月を迎えようとしています。
我ながら不本意ではありますが、調整を完了ではなく終了させていただくことにしました。

FFC20TEST-M31_20180715-2.jpg
M31テスト撮影
FFC20 / EOS6D-SEOSP4 / ISO1600 / Expo.5minX12
 縦画面にすれば銀河面がきっちり収まったと思うのですが、そこまで気が回っていませんでした。

C2017S3_20180715.jpg
パンスターズ彗星(C/2017 S3)
FFC20 / EOS6D-SEOSP4 / ISO3200 / Expo.2.5minX12
 朝方、東北に昇る彗星を撮影しました。
帰宅してからアウトバーストしたという情報をYahoo!のComets Mailing Listで知りました。
しかし、コンポジットする前の画像で測定してみると、私の測定ではMPC110495のエレメントによる光度推算値と同じくらいのMag.V(m1)=11.5でした。
この彗星はバージンで更に太陽に接近(0.2AU)しますので、ダストバーストを起こして長い尾を見せてくれるかもと期待しています。
ただ、見かけ上もどんどん太陽に近づいてゆきますので、観察できるのは後10日くらいでしょうか。

惑星撮影 in ガリバー

 前回書きましたように、土曜日の夜はガリバーで惑星撮影をしました。

Saturn-2018-07-14-1331_8.jpg
 結構良く見えていましたので、120秒で5フレーム撮影しWinJUPOSでDe-rotationしました。
シッカリとADCの調整を行ったつもりですが、環には色が付いてしまったので、Rチャンネルをスクロール調整しました。
更にBチャンネルの像が随分と甘くなっていましたので、アンシャープマスクを掛けています。
以前に問題にした、色ムラというのは無いようです。

2018-07-14-1649_6.jpg
 夜半を過ぎて火星もギラギラ光っていましたので撮影したのですが、ダストストームのお陰げで鮮明な模様が見えません。
余り期待できなかったので、60秒で4フレーム撮影したところでおしまいとしました。
こちらは補正板に夜露の影響が見え始めていた頃の画像です。

 最近、バローレンズとADCの組み合わせをどのようにするのが正しいのか考えていました。
私は天文雑誌を買わない、読まない人ですから、この件に関する記事が掲載されていて、既にそれを読んだという方は以降は読み飛ばしてください。

 この晩撮影に使った拡大システムは下のような接続です。

昨夜のバロー・ADCの接続方法_20180715
 先頭にGSO(AstroStreet) 2インチ 2X EDバローを、次にφ2inch-M42メスX20mmスペーサーを介してZWOのADCを、最後にASI290MCを組み合わせています。
150mmのスケールの0点がバローレンズのレンズ最後面(BFの起点)です。
このバローレンズはBF=100mm位で倍率が2倍になるように設計されている、EDレンズを含む負レンズ1群の拡大光学系です。
ASI290MCのセンサー面は赤い筐体前面から12.5mmの位置にあります。
この写真で解るように、BF=105mmで組上げています。
FireCaptureV2.6のログファイルに記載されています合成焦点距離は4100mmになっていますので、SC20cmF10のFL=2000mmに対する拡大率は2.05Xで合成F=20.5になっています。
ADCは単に頂角の小さなウェッジプリズムですから、バローレンズの推奨BFが100mmであればその範囲にADCを入れなければなりません。

従来のバロー・ADCの接続方法_20180715
 これは以前に使っていた惑星撮影時の組み合わせです。
バローレンズは笠井トレーディングのFMC3枚玉2.5Xショートバローです。
その後ろにADCの1.25インチスリーブをそのまま差し込んでいました。
その結果、BF=140mm程度になっています。
このバローレンズの場合の推奨BFは、最終レンズ面からアイピース差込口付近の筈ですから、およそ70mmと思われます。
この組み合わせで撮影したFireCaptureのログファイルの合成焦点距離は6900mm程になっていました。
推奨倍率を守れば合成F値=25になる筈ですが、実際はF=34.5になっています。
推奨倍率の1.38倍にもなっていますが、あまり気にもせず撮影して、まあこんなものだろうと思っていました。
しかし、先日の土星に色ムラを発見してから「これはどうもおかしいぞ?」と思い始めました。
 バローレンズのメーカーはADCを挿入すること関してコメントしていません。
スリーブにアイピースを直接差し込んで使われることを当然期待しているものと思います。
また、ADCのメーカー(この場合はZWO)は使用光学系の推奨F値を15以上と謳っているだけです。
これは対物レンズ周辺を通過した光線がウェッジプリズムに当たる角度を垂直±2°以内にしてくださいと言っているのだと思います。
これらを深く考えずに、バローレンズにADCを差し込んで、カメラを差し込んで ・・・ 出来上がり、と思っていたのですね。
どなたかの惑星撮影システムを拝見して、モノクロカメラとカラーカメラをフルップミラーの両口に差し込んで、ミラーをカチャっと切り替えてL画像とRGB画像を撮影したら便利だなあと感じたのは私だけではないでしょうねえ。
そこが素人の浅はかさ、買ってきたパーツをそのまま繋げれば出来上がりと思っていたことに我ながら悲しくなります。
今頃、6/26に書いた「惑星撮影システム」見てゾッとしても遅いのです。
 あのフリップミラーを使ったシステムを完成させるには、現在売られているショートバローではなく、昔あったBFの長~いバローレンズを使うか、BFの変化で拡大率の変わらないテレビューのパワーメイト(テレセントリック光学系?)のどちらかを選択するしかなさそうです。
BFの長~いバローに2インチ物は無さそうで、1.25インチの長~いのを使ったら撓みそうだし、更に画質も期待できそうにない ・・・ やはりテレビューの2インチ2Xパワーメイトを購入するしか解決方法は無いのかなあ。
心のどこかで、「フリップミラーもASI290MCも捨てて、フィルターホイールにした方が良い画像が撮れるぞ!」と囁く ・・・ うううっ、面倒くさそう。

梅雨明け最初のガリバー遠征

 東海地方が梅雨明けした後は、中々スッキリとした星空が見られませんでした。
GPVを見ると昨晩は伊豆や富士山方面で比較的良さそうな感じです。
新潟、福島方面の方が更に良さそうでしたが、GPVそのものをあまり信用していないので、外れた場合のダメージが少ない近場でお茶を濁すことにしました。
何時もの神奈川方面の二人は伊豆が遠いというので朝霧アリーナ駐車場に集合することにしました。
ところが現地へ行ってみると、上のグランドにはキャンピングカーが大集結しています。
どうもイベントが行われているようです。
急遽、遠征先をガリバー跡地へ変更しました。
 夜半位から星空が多少見えるかな位の期待だったのですが、薄明終了時よりそこそこの星空が広がりました。
私の主目的は以前から調整していたFFC20(リヒテンネッカーのフラット・フィールド・カメラ)の試写による最終テストです。
それだけでは寂しくて惑星撮影もしようと、シュミットカセグレン鏡筒も持参しました。
と言いましても、FFC20が車内で結構場所を取るのでシュミットカセグレンは20cmF10の方です。
水星を探したり金星を観望したり、続いて西に傾きかけた木星を覗くと中々よく見えます。
IさんはビクセンのVC200Lで、Yさんは足立光学のクラシカル・カセグレンで、私はミードのシュミット・カセグレンでの観望です。
何れもメーカー、型式の違う20cm望遠鏡での観望比べでした。

足立光学CCの復活_20180714
 上はYさんの足立光学のCC20cmですが、鏡筒はケンコーのSE200Nの筒を改造して、底部に足立光学のクラシカル・カセグレン用主鏡セルを取り付けたものです。
筒先の副鏡は前後にスライドできる金具で支持されていました。
もう50年以上前に機材らしいですが、神奈川の某母高校天文部で廃棄状態の機材を復活したらしいです。
金星、木星、土星と覗かせてもらっていると、どうもバイサック鏡筒に比べてコントラストが低い感じです。
色々と見ると、なんと主鏡バッフルが有りません。
接眼部のアイピースを外して覗くと、副鏡の周りには星空が広がっています。
夜天光が直接ドローチューブに入り込んでコントラストを落としているのですね。
筒先から主鏡を見ると主鏡の中央穴がφ30mm位しかありませんので、足立光学で製作された段階でバッフルが省略されていたのでしょうか。
その頃は清原光学のパンフレットに15cmのクラシカル・カセグレンが掲載されていた記憶はあるのですが、IさんとYさんのお話では足立光学が製作した唯一のカセグレン鏡筒ではないかということでした。
主鏡がF5、合成F20ということで、20cmで焦点距離4mですから、もう惑星専用といっても良いような感じですね。

FFC20最終テスト風景inガリバー_20180714
 これは私の主要目的であるFFC20のセッティング状態です。
夜半過ぎには雲の影響が少なくなりましたので、M31やC/2017 S3を撮りました。
FFC20の最終結果は後日報告いたします。

惑星撮影inガリバー_20180714
 こちらはSC20cmで土星を撮影しているところです。
尚、撮影システムは今まで試していた接続を止めて、フリップミラーを外しました。
先日からずっと惑星撮影システムのバローとADCの接続の最適デザインについて考えています。
前回、前々回に写真付きで紹介した接続方法は、どうも問題有りと思うようになっています。
詳しくは、惑星の処理が終わったときに書きます。

 朝方は気温が18℃まで下がり、長袖を着ていて丁度良い星見でした。
来月のペルセドも標高の高い涼しいところで、リラックスチェアーに寝転んで、左手に双眼鏡、右手にBeer ・・・ Yさんは折り畳みのハンモックを考えているようでした。
ということで、梅雨明け一発目の遠征は最高に楽しい一晩でした。
プロフィール

voyager_camera

Author:voyager_camera
小惑星観測屋崩れの「天体写真か!」です。もう新天体サーベイも位置測定もしませんので、鑑賞天体写真撮影に勤めています。訳あって天文雑誌などのフォトコンには応募しませんが、このブログ以外でも小生の写真を見ていただける機会が増えるようボチボチやってます。(大島 良明)
mail:y-osima@sannet.ne.jp

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